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TOTO 新社長のカラーは要らない、良いものをしっかり作り続ける

TOTO
喜多村円 社長
1117号 (2014/04/15発行) 3面
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TOTO 喜多村円 社長

≪新社長≫TOTO 喜多村円 社長

 売上高、利益ともに過去最高を大幅に更新するなど、業績絶好調の中での登壇だ。張本前社長(現会長)の任期6年をあと1年残しての交代は、業界内で意外感を持たれたが、後継を指名された本人はもっと驚いたという。

 「まったく予想もしていなかったので...。昨年11月6日でしたが、呼ばれた時は事業のことで、また文句でも言われるのかなという感じでした。でも話して10分以内には『分かりました』と言わせる雰囲気をつくられてしまいました(笑)」

 木瀬、張本と二代続いた営業系トップの後を継ぐ同氏は、管理・企画畑出身で、その後、浴室事業部長などの製造現場を担当。それだけに「モノ創り」に対するこだわりは強い。

 「『良品の供給』と『需要家の満足』を追求するのがTOTOの心です。意志あるところに道はできる。その実現のあとに利益はついてくるものです。新社長になったからといって私のカラーなんて要らない。良いものをしっかり作り続けることです」

 同社では、創業100周年を迎える2017年を最終年とする「Vプラン2017」で売上高6000億円、営業利益480億円を目標に掲げている。これまで4期連続増収増益で、すでにその目標数値も達成目前。しかし今後は消費税引き上げの駆け込み反動減が懸念される上、社長就任直前の3月下旬には、キッチン生産のストップという一大トラブルに見舞われた。同社の全売り上げの実に3分の2を占めるのが国内住設のリフォーム向けで、しかもその要となる商品がキッチンだけに大きな痛手だ。

 「お待たせしているお客様には大変申し訳ないと思っています。キッチンは当社の中でもシェアの低い商品でキャパがなかったことで量産に耐えられなかった面もあります。しかしキッチンは女性の夢を叶える魅力的な商品、そうしたニーズにきちんと応えられるよう、今後も作り続けていくことに変わりはない。効率化だけで乗り切れない際には、設備を一部増強することを考えています」

 今後の商品開発コンセプトとしては、高齢化社会への進展を踏まえたユニバーサルデザインを挙げる。

 「たとえば、お風呂で体を洗ったあと、トイレを済ませたあとが、快適に、楽になるような商品を作っていきたい。トイレやバスは人間の根本に関わるプライベートな場所。そこでは、介護をする側にもやさしく、さらに介護される人の心の負担を軽減できるようなものを提供して行きたい」

 どこまでもモノ創り企業への原点回帰を唱え続ける決意だ。

(福岡県出身、56歳)

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