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100年続く企業を目指し、刷新プロジェ...

100年続く企業を目指し、刷新プロジェクト実施 パーパス

パーパス
髙木裕三 代表取締役社長
1117号 (2014/04/15発行) 10~11面
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パーパス 髙木 裕三代表取締役社長

パーパス 髙木裕三 代表取締役社長

 2011年に社名をブランド名に統一し、ロゴマーク、キャラクターともに一新させたパーパス(本社・静岡県富士市)。「高木産業」時代から高効率給湯器(エコジョーズ)などのガス機器で知られる同社だが、 最近ではテレビCMをコンスタントに提供し続けるなど、企業PRにも意欲的だ。髙木裕三社長に、その戦略と今後の展望を聞いた。

―――聞き手、本紙社長 加覧光次郎

社名変更でブランド力向上とイメージ統一を図る

 同社は1946年創業。グループ会社を含めた今期の売上高は、およそ345億円。エネルギー関連の製品を数多く製造販売しているが、とくに2012年から始まった「HARMONY SERIES(ハーモニーシリーズ)」では、"給湯器は無難な白"といった常識を覆すモダンな「ハーモニアスグレー」を本体色に採用、話題となる。

 ――――色もデザインも一新された「ハーモニーシリーズ」は、給湯器のイメージを変えました。
 全モデルがエコジョーズなのですが、デザイン性に特化した製品展開をしています。せっかく新しく高効率な機器に変えたのに、"白から白"では、お客様から見るとあまり変わり映えがしないんですね。給湯器も建築の一部と考えたら、建物に調和しやすいカラーにしたり、"単なる箱"ではないスリットの入ったスリムなデザインになりました。また塗装も「塩害対策」が標準仕様なので設置できる場所も広がりました。

「ハーモニーシリーズ」給湯器(エコジョーズ)
「ハーモニーシリーズ」給湯器(エコジョーズ)

 ――――ここ数年のパーパスさんの印象が随分大きく変わったように感じます。
 まだ私が副社長だったときにリーマンショックが起こり、当社もかなり厳しい影響を受けました。2009年の社長就任時はちょうど創業から60年余り経っていたのですが、100年続く企業になるため"P3計画(パーパス・パワーブランディング・プロダクツ)"という刷新プロジェクトを作りました。3年ずつ3次にわたる9年計画なのですが、今、最初の第1次期間が終わり、第2次計画を進めているところです。

 ――――第1次計画の中で「パーパス」というなじみ深いブランド名に社名を変更されたのですね。
 今は「給湯器が壊れたから同じ会社のものをそのまま取り換えよう」といった時代ではありません。消費者はネットなどで価格や性能、対応力等の情報を調べることができ、選択肢は大きく広がりました。当社の知名度を上げ、企業ブランド力を高めるためブランド名に社名も統一しました。

富士山麓に最新鋭工場を増設

同社は海外事業も積極的で、2010年にはA.O.スミス社とジョイントベンチャーを設立。昨年には、国内だけでなく海外への販路拡大もにらんだ生産拠点として富士宮市内に「エコベストファーム」を完成させる等、グローバルな事業展開も注目されている。

 ――――昨年4月の「エコベストファーム」完成も"P3計画"に基づいたものですか。
 はい。第1次計画に、国内外で販売するエコジョーズやウォーターサーバー等の部品から組み立てまでの一貫生産体制の確立と安定供給を目標に掲げていました。そこで既設の富士宮工場に加え、最新の生産設備や研究施設であるテクニカルセンターを増設してリニューアルさせました。エコジョーズでいえば、今までの30万台体制に加え、新たなラインでさらに40万台が生産可能になりました。

昨年オープンした富士宮新工場「エコベストファーム」
昨年オープンした富士宮新工場「エコベストファーム」

 ――――「エコベストファーム」完成祝賀会は盛会でした。
 2013年4月18日に完成祝賀会を催しましたが、160人を超えるお客様にいらしていただきました。その後も全国からご見学者が絶えず、昨年は2200人余りの方が来られました。もちろん弊社の技術力等をご覧になって仕事の話につながったりということもあるのですが、ちょうど富士山が世界遺産になったという話題性もありました。弊社でもそれを見越し、眺望にこだわって設計しましたので、エントランスから会議室、食堂に至るまで富士山は見事に見えます(笑)。ぜひ多くの方にいらしていただきたいですね。

 ――――エコジョーズは、海外へも出荷されていますね。
 当社は1946年の創業以来、"TAKAGI"ブランドで積極的に世界展開しています。とくにA.O.スミス・コーポレーションとジョイント・ベンチャーを設立してからは、北米で「A.O.スミス」ブランドで販売する瞬間式ガス給湯器は、当社が製造、提供しています。今、北米向け商品の6割強がエコジョーズになっています。

 ――――今後も海外展開は拡大させていくのでしょうか。
 海外は、現在アメリカ、カナダ、オーストラリアが中心となっていますが、世界に目を向けると"日本より高緯度にある寒い国"ってたくさんありますよね。生産拠点は今回の「エコベストファーム」完成で十分確保できましたので、今後、海外に向けての販路拡大も進めていきたいと思っています。

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