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デグチホームズ5年後50億円、株式上場へ

デグチホームズ 5年後50億円、株式上場へ

デグチホームズ
出口明利社長
1119号 (2014/05/06発行) 16面
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デグチホームズ 出口明利社長

デグチホームズ 出口明利社長

「リフォーム」「新築」「不動産」で地域1番を

静岡県富士市を拠点に事業展開するデグチホームズが、5年後の売上高50億円達成と株式上場を目指し、新たなスタートを切った。既に高い地域シェアを持つ、リフォーム、新築事業に加え、不動産事業を本格化。3つの分野で地域1番店となるべく、本社の大型改装などに着手する。出口明利社長に、事業拡大に向けたシナリオを聞いた。

断トツのシェア目指す

 ―――2012年度は会社全体の売り上げで21億5000万円でしたが、13年度の実績はいかがでしたか。
 26億から27億円ぐらいが着地点です。内訳はリフォームで約9億円、分譲住宅が実績で約50棟、平均2200万円なので11億円ほど、あと中古再販が5、6億円です。

 ―――当初はリフォーム事業からスタートし、事業領域が拡大していますが、どんな会社像を目指しているのでしょう。
 リフォーム業では地域1番店ですが、2年後に新築および不動産事業を地域1番にすることが目標です。新築は年間70棟ほどの確認申請を富士市で出しているので、最も多いと思いますが、断トツ1番が目標。そのため年間100棟ですね。不動産の取扱高もグループのデグチエステートが10億円以上あるのでトップクラスだと思いますが、2年後ここも断トツにしたい。

 ―――これだけの数字を10万世帯の富士市だけで実現できているところが、強みですね。
 できるのは富士市だからですよ。これを東京でやろうとすると厳しいですから。3つの柱それぞれで地域トップ、そして5年後には中古再販でも1番になって、同時に二部上場します。そのため3年後には監査法人を入れる中期計画を立てています。さらに、長期では10年後に一部上場。ただ、一部上場はハードルが高いので難しいのですが、一部を目指さないと二部もできません。

 ―――なぜ上場を目指そうと考えたのでしょう。
 安心・安全、強い財力、優秀な人材が集まる体制を築くためです。住宅会社はハイリスクの商売だからどの会社でも潰れる可能性が高い。それが上場すると、お客様からの安心・安全の評価が上がり、強い財務力がつきます。そしてこのエリアで上場した建設系はありませんから、リクルートにあまり力をいれずとも、地元の優秀な人材を取り込むことができます。

 ―――すると、将来的にも富士市プラスアルファのエリアで地域密着経営を続けていくのでしょうか。
 一部上場を実現するとなると、何百億という数字が必要なので当然県外に出店しなくてはいけません。ただ、着地点を50億円で考えると、静岡県内で十分なんです。昨年伊豆高原店ができましたが1年経過していませんし、沼津にも支店がありますが、電話がない無人です。つまり、富士地区でほぼ30億円できている体制にあります。ここで少し頑張れば35億円ぐらいまでは到達できますので、あとは伊豆高原で5億円、沼津の本格展開で10億円。これで50億円が見えてきます。

 ―――ちなみに、富士市でのリフォーム事業はさらに拡大する計画でしょうか。
 リフォーム事業に関しては拡大は考えていないです。10万世帯で9億円ですから、少しやり過ぎてますよね。35年前に事業を開始し、27年前にリフォームショールームを作って、石を投げるとお客様にあたるぐらいやってきましたから。

 ―――するとリフォーム拡大の余地があるのは伊豆高原と沼津ですね。
 伊豆高原は今期1億円目標です。ただ、3万世帯しかありませんから、いっても1億5000万円ほどですかね。沼津はこれからです。

失敗から新モデル構築

 ―――5年後50億円に向け、リフォーム事業は実現可能な範囲だと思いますが、新築は徐々に市況が厳しくなっていくと思います。そこへの対策はどう考えていますか。
 将来は中古に完全シフトします。実は2007年に「くじら館Ⅱ」というところで「中古仲介+リフォーム」を始めましたが失敗しました。ショールームに3000万円ほどかけましたが2年で撤退。この地域では早すぎたのかなと思います。

 ―――再開するわけですか。
 再チャレンジです。一度失敗して、その要因は分かっていますから。そのため古いキッチンなど昭和のスタイルモデルルームを作り、お客様にまず見てもらいます。そして、ミディアムとハイクラス、2つのリフォーム後のモデルルームと比べてもらう。従来は、自ら中古住宅を買っての再販でしたが、そのスタイルを変えます。

 ―――現状では、再販と仲介合わせてどのくらいの中古仲介件数があるのでしょうか。
 再販が年間30~40件なので、両方だと60~70件ですね。そこを200、300も手掛けられれば当然新築を捨ててもいい。

ブランディング強化

 ―――でも都心部と比較すると、地方都市は中古を買ってリフォームの概念を持っているエンドユーザーが少ないと感じます。中古文化をどう創造するのでしょう。
 そのために今期2500万円かけてブランディング戦略を展開します。車も車種を統一し、25台をラッピングしますし、キャッチコピーを考えてテレビCMも流す。

 ―――なるほどそこに中古+リフォームのイメージを流すわけですか。
 そうです。屋上の大型看板も富士市内にたくさん出していますが、それを統一する。そうすればブランドイメージがついてくると思います。


会社概要
所在地 * 静岡県富士市 / 創業 * 1979年8月
資本金 * 3000万円 / 従業員数 * 41人
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