Jack「真の競争相手はお客さん」小規...

Jackグループ　蜘手健介代表

昨年末に一般社団法人化したリフォーム会社経営者勉強会Jackグループが活動の輪を広げつつある。現在、145社に上る会員数のスケールメリットを生かし、保険の団体割引やメーカーの一次問屋機能も有する。今後は「国に対しての提言も」と話す蜘手健介代表に、グループの方向性を聞いた。

国への提言も

　―――現在、会員数は145社と順調に拡大していますが、今後グループではどのような活動を行っていきますか。
　将来的に行いたいのは、エンドユーザーに向けた安心、安全の提供と、もう1つは国に対しての提言です。業界団体の第3者機関として意見が言いやすくなりました。

　―――安心、安全という面では今、国はリフォーム会社を免許制にするかなどの議論もあります。その点はどのように考えていますか。
　なぜリフォームがこの日本でそれなりに伸びているかといいますと、悪徳とかの問題もありますが、許認可なしに自由にやれたことが大きいですよ。要は経験も知識もないが、顧客と相対契約が成り立てば、仕事ができる。色々なプレーヤーが参入しているからマーケットが大きくなってきているのです。これを建設業のように協会を作って統括しようなどとした瞬間に閉塞感がでてくる。

大型改修の需要はわずか

　―――需要拡大の面でいうと国が性能向上など、リフォーム全体のほんの一部の工事に対してだけ、補助金を出すのは疑問です。
　グループではローコストリフォームの研究をしていますが、やはりリフォームは、トイレを変えたいとか、一部分新しくしたいという人が8割です。快適な暮らし、夢見る暮らしのリフォーム需要はごくごくわずか。一般の人たちにもっと目を向けて、どうすればいいか考えた方がいい。

　―――Jack会員でも出店する企業が増えている水まわりの専門店は、需要開拓になるのではないですか。
　それはすごく感じます。レンジフードを変えたいなど、リフォームを初めてする人が多いですから。レンジフードやコンロが新しくなると気持ちがいいし、その感覚をもって半年後トイレ、その後キッチンと、単価の低いものから順番に上がってきます。

　―――それはディドロ効果ですよ。昔フランスの思想家、ドニ・ディドロ伯爵は、贈り物として高級なガウンをもらったのですが、そのガウンに対しまわりの調度品が貧相なことが気になり、椅子や本棚を次々に新しくしていったそうです。つまり、一カ所リフォームするとほかが気になり出す。
　まさしくそういうこと。そこで重要なのは一番初めの経験なので、キチンと対応してあげることです。誠実さをもってね。潜在需要掘り起こしという観点では興味深いですよ、面白いようにレンジフードとコンロの引き合いがきますから。
　ただ、このモデルはマーケットの特性に合わないとインパクトが少ない側面もあります。結果が出ている地域とそうでない地域がある。チラシの反応がないとだめなのですよ。潜在ニーズの対象者は、チラシなど目に触れるメディアが適している。ネットで調べたりはしません。一回グループ内で、似たようなチラシで反響を調べたことがあるのですが、関西は3000分の1だったのに対し、悪いところは9000分の1ほどでした。

　―――3倍の差ですか。
　9000分の1だとうまくいかないですよ。片田舎でチラシが全然入っていないところは、価格が高くても反応があるのですが、チラシが多い地域は安いだけではだめです。また、圧倒的にシェアを取っている会社がコストを安くだしているところも勝てません。

非効率に取り組む

　―――今、リフォーム会社に必要なことはなんでしょう。
　僕らの目線は、今まで競合他社やマーケットサイズ、自らのマーケットにおけるポジションに向いていました。ここに来て、思うのは僕らの競争相手はお客さんかなと。
　お客さんのためにどうするか、お客さんが何を考えているか、非効率かもしれませんが、20万、30万のリフォームがしたいという方がみえたら、進んで取り組んであげる。真の競争相手はお客さんということを再認識しないといけないと考えています。

　―――今後に向けた方向性は。
　7月に総会があり、理事の2年の任期が終わるのですが、次の2年で会員300社を目指します。あと、基本は人とのコミュニケーションと、学びの場なので、引き続きブロック勉強会を行っていく。加えて今まで月1回、全国開催のセミナーを行っていますが、そこに多くの人にきてもらい情報を発信していきます。

≪組織概要≫
組織名　一般社団法人Jackグループ
事務所　岐阜県高山市
Jackグループとは、住宅リフォーム業界において、集客、営業、採用、教育、システム、商品作り、仕組みづくりを重点的に集め会員相互の発展と業績アップを推進する会。