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OCHIホールディングス越智社長"住宅...

OCHIホールディングス 越智社長 "住宅産業"から"住生活産業"へ

OCHIホールディングス
越智通広 社長
1140号 (2014/10/14発行) 7面
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OCHIホールディングス 越智通広 社長

OCHIホールディングス 越智通広 社長

前期は過去最高の913億円

 西日本最大手の住宅資材流通グループのOCHIホールディングス(福岡県福岡市)。前期売上高は前年度比15.2%増の913億2000万円と過去最高を更新した。越智通広社長は、"住宅産業"から"住生活産業"への転換を進めると話す。

生活用品が柱の1つに

―― 2009年、生活用品を扱う松井を子会社化したことが事業の幅を広げられたきっかけになったと思います。今では売り上げの8%を担う、柱の1つになっている。ただ、北海道の会社でしたし業種も違う中、よく決断されましたね。

 私どもとしては、異なるチャンネルだから面白いという考えがありました。本当は、九州や関西で、同様の会社があればベターでしたが。

―― 今後の戦略としては、この生活産業の割合を増やしていくのでしょうか。

 扱う生活用品や燃焼機器は、なくなるものではなく買い替え需要がありますので、将来的な割合は高まっていくでしょう。しかし、急成長するとは思っておらず、じわじわ増えていくイメージです。では、どの部門が好調かというと、ここ5年ぐらいではプレカット部門が伸びています。

――「建材」、「生活」と並ぶ3本柱、現売り上げの12%を占める「加工」事業ですね。

 プレカットを売っているところが建材も売れる側面があるのです。結局、一緒に運んでしまう。図面や建て方など、プレカット工場で担う部分が多くなってきました。木材の加工をしているだけではなく、いろんな機能を持っている工場は伸びてきています。逆に機能が含まれていないと新築がとりにくくなってきています。

流通の新たな役割を

―― そうした意味では、流通の役割が変わってきていますね。与信はメーカーも担えるようになってきましたので、施工のサポートなどを強化する企業が増えています。

 品確法や瑕疵担保履行法などで、急速に私どもの役割が増えてきました。最近は、補助金のお手伝いも多い。"知識流通"という形にもっていく選択もあります。

―― 知識という意味では、御社が提供するゼロエネ住宅のパッケージ商品も、中小工務店では実現が難しい部分の知識も含めたサポートですよね。

 現在は太陽光などの単体商品と比較し、パッケージの売れ行きは数十棟ほどと、それほどでもないですが、工務店さんは、性能を数値化できるので武器になります。今後は、住宅のデザインまで含めたパッケージ商品の展開も行う予定です。

――エンドユーザー向けの設備・建材の評価サイト、「V home Fair」も工務店支援の一環なのでしょうか。

 はい。工務店がホームページを作っても見てくれないじゃないですか。この「V home Fair」で人を集めれば、いろいろなものに落とし込むことができます。基本的には小さな企業がユーザーとつながるのはネットが1番ですよね。マスの広告ですと大手には勝てませんから。

 そういう面ではネットをうまく活用していくのは、小さな工務店が、小さな流通が勝ち残るにはよいのですが、その発想があまりないんですね。そのため、私どもがそこに資本を投下して、ユーザーが集まる体制を作っているのです。

設備・建材の評価サイト「V home Fair」

設備・建材の評価サイト「V home Fair」

口座数は約3000社

――ちなみに現在、取引先は、どのくらいあるのですか。

 口座があるところで、約3000社。工務店さんはその4分の1です。加えて住宅あんしん保証の協力店をしていますので、かぶっている部分もありますが、登録している工務店さんが2000社ほどあります。ただ大きなショールームを構えたり、住宅展示場に出店できるところは、ごくわずかしかありません。

 そこでバーチャルでネット上でできる仕組みを作っていかないといけない。エンドユー
ザー接点をお客さんがうまくもってくれれば、私どもの目的の7割ぐらいは達成できたと思っています。

―― 今後、着工数60万戸、戸建て30万戸の時代がくると仮定して、どんな動きが必要だと思いますか。

 1つは、非住宅にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。バリアフリーや介護関係、施設向けなども含めて展開していく。あとは、省エネと創エネ。エネルギー関係の事業は、ニーズがあるでしょうね。

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