有料会員登録で全ての記事がお読みいただけます

山善、量販店のリフォーム推進「リテール...

山善、量販店のリフォーム推進「リテールワークス」開設

山善
長尾雄次 取締役 上席執行役員 住建事業部長
1142号 (2014/10/28発行) 5面
このエントリーをはてなブックマークに追加

山善 長尾雄次 取締役 上席執行役員 住建事業部長

山善 長尾雄次 取締役 上席執行役員 住建事業部長

全国42カ所で630億円

 全国42カ所で住宅設備・建材の卸事業を手掛ける山善(大阪府大阪市)。住建事業部の売上高は前期ベースで約630億円。長尾雄次取締役上席執行役員・住建事業部長は「これまでは新築がメーンだったので、遅れていたリフォーム分野を強化していきたい」と話す。

前期は18%増収

―― 住宅設備・建材の卸事業を行う住建事業部はまもなく50周年になるそうですね。

 1965年にできましたので来年50周年です。現在は北海道と沖縄を除く全国42カ所に拠点があり、270人の正社員がいます。エリア的には西が6割、東が4割。そういう意味では東が弱いのですが、2020年の東京オリンピックを見据え、"オリンピックシフト"しています。例えば、西にあった建設資材部というものを今年の4月1日にまるごと東京に移したりしています。

―― 住建事業部の売上高はどれくらいですか。

 前期は630億円です。駆け込み需要や太陽光のウエートが上がったりして、前年比18%アップでした。今期については前年比98%の620億円。事業環境を考えるとこういう計画にならざるを得ませんでした。来期は660億円を計画しています。

有望市場に焦点

―― 今後は年間の新築着工戸数が80万戸台に落ち込んでいくとも言われています。今期はどんな点に取り組んでいますか。

 今期の取り組み方針の1つに、「有望市場へのパワーシフト」というものがあります。有望市場というのは、リフォーム市場、省エネ関連市場、海外市場、ネットビジネスの4つです。

――リフォーム市場についてはかなり注目しているようですね。

 これまでは新築メーンできていたので、リフォーム市場については遅れていました。そこで今期は"3本の矢"を投入しています。1つ目の矢はリフォーム・リノべ会社の一斉新規開拓。2つ目は今年の春に量販店推進専門チームというものを作りました。3つ目は、当社自身が中古流通を含めたリノベーション事業を検討しています。

――リフォーム・リノべ会社の開拓は進んでいますか。

 リフォームの一斉新規開拓を進め、先月で220社くらいになりました。不動産会社の子会社とか住宅会社のリフォーム部とかが多いですね。

1から量販店を支援

――2つ目の量販店推進専門チームとは何でしょう。

 チーム名は「リテールワークス」といいます。今年の5月1日にマーケティング部内に設置しました。目的は取引関係の深い量販店に対してリフォーム事業を推進していくことです。量販店というのは家電量販店、ホームセンター、GMS、ネット通販もそうですね。

――リフォーム事業の立ち上げにまで関わると。

 量販店はリフォーム事業を始めてはいるんですが、うまくいっていないところもある。その原因は、量販というものは、「店舗」と「展示」と「価格」の3点セットで、なるべく人手をかけずに売るというのが極意。ただ、リフォームは人が重要なんです。「クローザー」という、現場に行って、見積もりして、契約してくる人が必要。量販店はこれを外注している会社が多いので、なかなかうまくいかないんです。

――リテールワークスはどんな支援をするんですか。

 商談スキルなどの人の教育を含め、1から事業の立ち上げを支援します。具体的には、クローザーの育成、施工付きパック商品の開発、売り場の設計、システム開発などです。

―― 人材育成にまで関わるんですね。

 OJTでクロージングのテクニックも伝授します。また、住宅設備機器の基本を学ぶ入門書や、商品の特徴をまとめた冊子まであります。

―― 量販経由のリフォームでどれくらいの売り上げですか。

 今は8億円くらい。年内には30億円くらいにしたいと思っています。

機能商社化目指す

――3本目の矢として取り上げられていたリノベーション事業の検討とは何でしょう。

 マンションも戸建ても、買い取り再販をやっていこうと考えています。そのために事業提携も検討しています。

――リフォーム事業の立ち上げや中古流通参入となると、従来の商社というカテゴリーにとどまらない会社になってきますね。

 全社で2015年までに取り組むため戦略課題「A・A・15」というものがあります。その中で遂げたい3つの課題が「売上拡大」「経常利益率向上」「機能商社化」。最後の「機能商社化」というのがリテールワークスのようなもの。付加価値を提供していきたい。

毎日ニュース配信中!リーフォーム産業新聞公式LINE

リフォーム産業新聞社の関連サイト

閉じる