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手軽施工の高機能床材でリフォーム市場を開拓 東リ

東リ
永嶋元博 社長
1110号 (2014/02/25発行) 10~11面
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東リ 永嶋元博社長

東リ 永嶋元博 社長

新型タイルカーペットで需要喚起を

 設備建材メーカーのトップインタビュー企画「暮らしのリフォーム」。今回は、床材、カーペット、壁紙などの製造販売を手掛ける東リ(本社・兵庫県伊丹市)の永嶋元博社長。独自の技術で開発した、暮らしをより快適にするモノづくりへのこだわりを聞いた。

――― 聞き手 本紙社長 加覧光次郎

インテリアの総合ビジネスを展開

東リは塩ビ床材、カーペットの製造で国内トップシェアを誇る企業。前期連結売上高は849億円。従業員数は1600人を超える。床・カーペット以外にも、ラグ・マットや壁紙、カーテンなどの開発も手掛ける。さらに、リック、キロニーといったグループ会社では卸販売や工事も行い、インテリアの総合ビジネスを展開。さらなる成長を遂げるために「構造改革による事業基盤の強化」を打ち出しており、暮らしの質が高まる付加価値商品の開発に注力している。

 ―――創業は1919年と古く、まもなく100周年を迎えますね。 
 会社の寿命は30年といいますが、私たちのは会社はあと6年弱で、ちょうど100周年です。大正8年にリノリウムの製造から始まって、それから、塩ビ床材を扱い始め、さらにタイルカーペットを開発しました。現状にとどまることなく、これからも次の世代に向けてきちっとしていかないと企業が活性化していかないと思っています。

 ―――永嶋社長は2012年4月に社長に就任してから、「構造改革」経営を打ち出されていますが、事業をどのように伸ばしていく方針ですか。
 社内では「コア事業の再強化」という表現をしています。コア事業というのは、明白ですが、塩ビ床材とカーペット。実際にこの2つで売り上げの7割くらいを占めています。製造も9割以上を内製化していますので、私たちの技術もこのコアの部分に包含されています。

 ―――取り扱っている商品は一般住宅というよりも、施設や店舗などの非住宅が多いんですよね。
 以前は7対3で非住宅が多かったです。しかし今は6対4くらいの割合で、一般住宅に使われるケースが増えてきています。今後、非住宅の6のボリュームを減らさずに、4の住宅の方のボリュームを膨らませていくマーケティングをしたいと思っています。

 ―――リフォーム市場がさらに伸びていくと期待されているわけですから、この一般住宅分野の拡大が売り上げ増加のカギをにぎるでしょう。
 レジデンシャル(住居用)のマーケットを切り開いていくことが、新たな収益源の1つになると思っています。

浴室改修で評価

 ―――リフォーム市場を開拓していく商品にどのようなものがありますか。
 1つは「バスナフローレ」という、塩ビ床材があります。これはもともと、医療福祉施設向けに開発したものですが、実際に売り出してみると、一般住宅のユニットバスや在来浴室のリフォームで評価されました。今、売り上げが順調に伸びています。

 ―――どんな特徴がありますか。
 まずは、クッション性。例えば室内で倒れても衝撃吸収性があります。そして滑りにくい防滑性。あとは親水性があるので、水が薄く広がって流れていくという機能があります。さらに保温性も特徴。タイルの床だと冬場はヒヤッとして冷たい。それでいてお風呂は熱いですから、血管が収縮します。これによって心筋梗塞や脳卒中を引き起こすヒートショックになる危険もありますが、バスナフローレはそれにも優しい。

浴室リフォーム商品「バスナフローレ」
浴室リフォーム商品「バスナフローレ」。クッション性があり、転倒時の衝撃を和らげる。また、ヒヤッとしにくく、ヒートショックを軽減させる。

 ―――施工性の面ではどんな工夫がありますか。
 既存の床をフラットに下地補修してからその上に貼っていくだけのものなので、簡単に施工することができます。

 ―――在来工法のお風呂を全部直すとなると大掛かりな工事になりますが、簡単に高機能な浴室へとリフォームできるのはいいですね。
 似た機能を持つ商品として、病院や介護施設などで使われる「バスナアルティ」という商品もあります。これは特に介護をする方から評価されています。ひざを付いて介護をする時に固い床だとひざが痛い。「バスナアルティ」はクッション性があって柔らかいのでその痛みを抑えられます。

既存床の上に貼れる便利な商品も

インテリア企業としては珍しく東リは約14〜15年前にリフォーム市場に参入している。「東リリフォーム会」という名称で、販売店向けにリフォーム商品、施工等についての勉強会を実施していた。住宅産業がストック主体へと移り変わる中、さらにリフォームマーケットでの存在感を強めて行きたい考えだ。

 ―――リフォーム分野にも積極的に取り組まれていますが、マーケットに求められているのは手軽にできて、暮らしが快適になる商品です。
 「LAYフローリング」という賃貸住宅に向いている商品があります。これは既存のクッションフロアの上に増し貼りできる床材です。床材にピールアップの接着剤が付いていますので、ただ貼り付けていくだけです。表面は特殊UV樹脂コーティングされていて、ワックスなどのコーティングがいりません。汚れに強く、お掃除も楽。例えば、一枚の床材にへこみ傷ができてしまったり、タバコで焼けたりしてしまったら、そこだけ剥がして取り換えられます。

既存の床に重ねて貼れる「LAYフローリング」
既存の床に重ねて貼れる「LAYフローリング」。フローリング、クッションフロアの上に増し貼りが可能。表面には特殊UV樹脂コーティングを施 しており、汚れに強い。

 ―――メンテナンス性が高く、お掃除が楽というのは喜ばれそうですね。
 例えば今、賃貸の入居者がフローリングを傷つけてしまったとき、貸し主が借り主に過度な負担を負わせないようになっています。そこで家主さんは、傷がついたものをあまり費用をかけずに、でも見てくれの良いものに変えたいと考えています。そういうニーズに「LAYフローリング」が合っています。

 ―――賃貸だけでなく一般住宅でもニーズがあると思います。フローリングの張り替えって、結構大変ですからね。全部やるとなると荷物をどけたり、マンションだと音の問題もあったり、なかなか踏み切れない。そう考えると重ね貼りっていうのは便利ですよね。
 思い切ってお金と時間をかけてリフォームというのは20~30年に一回。その手前の段階で、傷ついたところを少し直したい、というようなときに使っていただけると思います。

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