マテックス 松本浩志社長
日本の既築住宅の窓は、いまだに単板3ミリガラス、アルミサッシ製がほとんどで、住宅性能を大きく低下させている。窓の卸業で知られるマテックス(東京都豊島区)の松本浩志社長は"窓リフォーム市場"の需要喚起のため、多方面からのアプローチを展開している。その理念や展望等を聞いた。
―― 御社は、卸業に徹しながら、リフォーム市場の開拓に取り組んでいます。
私は電機メーカーを経てこの世界に入ったのですが、そのときに、1928年の創業から窓を扱ってきた"窓の専門家"として当社に何ができるのか、いろいろ考えたのですね。日本では新築はかなりよくなってきましたが、ストック住宅の窓が抱える課題は多くて、その解決のため地域のみなさんと一緒にやれることがあるのではないかと思いました。
―― それが、販売店向け支援でしょうか。
今後は新築着工が減り、下請けだけでは大変な時代になっていくと思います。当社のお客様はガラス店、サッシ店がそれぞれ5割強と4割強、約2000社いらっしゃいますが、そのうち半分が5、6人、3割は1~3人の店舗です。
そこで当社では、集客につながるチラシの作り方等のプロデュースや、リフォームに関するセミナー、勉強会など、事業拡大の支援を行っています。「窓リフォーム塾」という名称で、昨年までに260回以上、述べ2200人超の方が参加されました。
――「エコ窓普及促進会」としての活動も始めていますね。
エコ窓普及促進会は2009年1月に設立し、事務局を務めています。販売店さんをバックアップする活動として、年間25本を超える自治体の環境フェアなどにも参加しています。実際に出展するのはエコ窓普及に賛同された地域の業者さんですが、今、こうした活動に参加する会社は200社くらいあります。
―― ケーブルテレビで情報番組も行っていました。
ケーブルテレビJ:COMで、2013~4年に、スタジオ収録の窓のミニ番組と、窓リフォームのビフォーアフターを見せるロケによる番組のご提供を行いました。現在は、そのコンテンツをエコ窓啓発の現場で上映するなど活用しています。
当社にはリフォームに関わる営業推進スタッフが現在14人いるのですが、そのうち9人は20~30代の女子社員です。ホームページ上でも「窓のコンシェルジュmadoka」という、窓の総合情報サイトをご提供していますが、女性ならではの視点が生かされていると思います。

「窓のコンシェルジュmadoka」のトップページ
――マンション改修の相談なども行っています。
マンションの場合、窓は原則、共用部分となりますが、管理規約22条2項を改正すると、各戸については区分所有者の責任と負担で実施できるようになります。マンションの窓改修の現場では「内窓しかできない」といったご相談が多いため、そのようなご提案を含めて、窓リフォームの推進につながるようなご協力を行っています。
――今後もますますリフォームに力を入れていきますか。
窓リフォームは、1枚でも行えば効果を実感でき、部屋全体、家丸ごとへと広がっていくものです。私たちは窓の専門家として、窓にこだわり、ガラスにこだわります。たとえ内窓でも単板でなくペアをご提案し、その効果を実感してもらいたいと思っています。
当社はこの業界で、首都圏で一番リフォームに力を入れている会社だと思います。今、おおよそ売上高の半分はリフォームになりました。そのうち、窓が8割を占めます。売上高は1月決算で前期は126億円、今期は135億円くらいで、ようやく手応えを感じられるようになってきたところでしょうか。
―― 単に商品を卸すだけでなく、プロデューサー的な視点からの役割を果たしています。
先程のマンションリフォームの話でいえば、昨年で38回目を迎えた弊社の展示会"マテックスフェア"に、管
理会社や管理組合の方々もお越しになるようになりました。
また塗装屋さんと組むと、足場があるため、エンドユーザーさんが窓改修を頼みやすくなります。こうした異業種のパートナー連携を「窓リフォームパートナー」と呼んでおり、皆で日本の窓文化を向上させていきたいと思っています。
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