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パナホームリフォーム、グル―プストック...

パナホームリフォーム、グル―プストック事業1300億円へ

パナホームリフォーム
中田充彦 社長
1163号 (2015/04/07発行) 8面
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パナホームリフォーム 中田充彦社長

パナホームリフォーム 中田充彦社長

新規向けリノベを3倍の300億に

 パナホームグループ(大阪府豊中市)は、2018年度のストック事業1300億円に向け、事業強化を進めている。主体となる新築OB客向けリフォーム事業に加え、管理マンション改修や買取再販、さらに売買流通など多角化推進。複合的に目標達成に向けた展開を進行中だ。グループストック事業の本部長を務めるパナホームリフォーム中田充彦社長に今後の戦略を聞いた。

ストック事業を統括

――パナソニックが18年度の創業100周年の節目で住宅事業2兆円を目指す中、パナホームグループで5000億円を担う計画を出しています。さらにストック事業でその中の1300億円をどのように達成するかの道筋を本日は伺いたいと思います。

 4つの事業本部制のうち、私が担当するのはストック事業本部。連結子会社のリフォームにつきましても、ストック事業本部の傘下にリフォーム事業部がありますので、統括しています。

 パナホーム不動産、カスタマー・CSを担当する部門も傘下です。各分野と連携しながらストックという概念のもと、展開していきます。

――まずはメーンとなるリフォーム事業の近況についてですが、消費増税後で厳しい市場環境の下、特に大型案件の状況が悪いです。御社も同様の動きが出ていますか。

 件数は減っています。14年度は13年度13%だった500万円以上の売り上げ構成比が約11%、件数で言いますと1020~1030件ほどになりそうです。1件当たりの単価が全般的に下がっていまして、OB施主様向けの「リライフ」、OB施主様以外の「リノベーション」ともに前年度比で100%を割り97%ほどです。

――工事単価はどのくらいでしょうか。

 リライフが約100万円、リノベーションが200万円強です。

――パナソニックESから人員が入り、大型につながるような空間提案を強化されていました。効果は出ていますか。

 一気に花が咲いたというわけではないですが、効果は出ています。14年度のパナホームリフォーム単体では、リライフが落ち込んでいまして前年度割れは確実ですが、逆にリノベーションは前年度をオーバーする。最終的には、前年度ほどのイメージです。

――連結での全体リフォーム予算でいうと当初の465億円を446億円に修正されました。パナホームリフォーム単体でいうとどのくらいの売り上げですか。

 370億円ぐらいです。そのうち10%強がマンションリフォームになります。

――つまり、約40億円がマンションの売り上げになるのですね。

 はい。リノベーションでは、マンションリフォームを攻めたいと考えて、首都圏の東京を中心にメンバーを強化しました。マンションを中心とした空間提案のボリュームを増やしたい考えです。

――2013年には合人社計画研究所と合弁でマンション管理会社を設立しましたが、40億円の中には管理から派生するリフォームも含まれていますか。

 入っていますが金額ベースでいうとほとんど影響がない程度です。管理関係は昨年から動き出しまして顧客の絞りこみができてきたところ。来年度に向け、そこそこの実績が作れる状況になったかと思っています。

――対象物件は、合人社計画研究所と提携している日本ハウズイングを合わせると相当数ありますよね。

 約55万戸の管理物件があります。ただ、古い物件が多く、中古流通でいうと500万円など3ケタ代の売却金額が相当あります。当初はやみくもにDMを出していましたが、今は物件に合わせてどんな展開をするか学習中です。

再販事業を本格化

――マンションで言いますと、インテリックスと提携し、再販事業も開始されました。
 
 14年度の実績ベースでいいますと6物件を仕入れ、販売をかけています。そのうち4件はインテリックスさんとの連携です。売れたのは1件で残り3件はリフォームと再販をかけている最中。それ以外の2件は独自に仕入れたもので大阪と福岡の物件です。

――単価はどのくらいですか。

 自ら仕入れたものは1500万円前後。インテリックスさんとの提携部分は再販価格で5000万円をめどにということで、実際の販売価格は7000万~8000万円など、都心が中心です。

――再販事業は資金が必要ですし、リスクもありますが、どのくらいまで拡大する考えでしょう。

 再販も含めた新規事業的な要素で、2018年度100億円ほどのボリュームをつくっていきたい考えです。今期は3億円ほどでして、来年度もボリューム感を上げるのではなく、地に足をつけて18年度を目指していこうとしています。

 後は、ハウスメーカーが良質なストック住宅を流通させるスムストック事業に本格的に力を入れていきます。この流通を請け負うのが、関連会社のパナホーム不動産。売買が発生したら必ずリフォーム工事も出てきますので、そこをしっかりやっていく。その延長線上に買取再販事業も出てくると見ています。買取再販はマンションに限定して行い、中古の売買流通はマンションに限らず、スムストックを基軸にして進めます。

流通事業を1.6倍に

――ストック事業で1300億円を目指す中、流通の分野ではどのくらいを担う予定でしょうか。

 流通で4 6 0 億円ほど、これは賃貸管理と売買を合わせた数字です。今期予想は277億円ですから約1・6倍にします。それとリノベーションは3倍の300億円に伸ばす。マンションリフォームだけではなく、地方では古民家再生などもありますので、伸びしろがあります。

――リライフはいくらを目指すのですか。

 320億円ほどです。単体の現状は200億円強なので1.5倍ぐらいです。残りは、カスタマーの売り上げや通販の売り上げ、連結子会社のリフォームなどです。


会社概要
 所在地 * 大阪府豊中市 / 設立 * 2013年4月1日 / 資本金 * 4000万円
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