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輸入建材・設備産業協会、輸入建材の市場拡大を目指す

輸入建材・設備産業協会
鮫島修二 会長
1163号 (2015/04/07発行) 9面
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一般社団法人 輸入建材・設備産業協会 鮫島 修二会長

輸入建材・設備産業協会 鮫島修二会長

 欧米の住宅建材の輸入促進や普及を図る一般社団法人輸入建材・設備産業協会が設立されて間もなく一年。鮫島修二会長に会の目的や活動、輸入建材の独自の魅力について聞いた。

窓の表示問題で設立

――2006年に結成された任意団体『輸入建材事業者連絡会』が前身だと聞いています。

 当時、経済産業省から窓の断熱性能等について表示を行う、という方針が出たのですが、それは日本のJIS規格に基づくもので、輸入製品は表示を示せないという問題が起こったのですね。そこで関係する4団体が共有する対策等を考えようと集まりました。昨年5月、さらにそうした活動を広げるため「一般社団法人輸入建材・設備産業協会(IBMF)」として組織し直しました。現在参加企業は18社です。

――窓の性能表示に関していえば、輸入元の国で評価されています。日本の基準に合わせた表示はできないのでしょうか。

 例えばアメリカは、一部熱帯地域を除いて、窓は州ごとに厳しい省エネ基準を法制化しています。それについてはNFRC(国立開窓術評価委員会)という民間の窓評価機関が性能試験を行い、断熱・気密性能等を細かく数値化して表しています。ですから製品としての性能は、よいものがあります。しかし日本のJISが定める検査方法とは環境が違ったりして、そのまま使うことがなかなか難しいのですね。私たちは、国産でも輸入でも、日本の窓性能を向上させようという目的は同じだと考えています。そのすり合わせまで、あともう少しのところです。

アメリカ製の窓の例 重厚な天然木が層になってフレームを形成し、断熱・防音性を向上させる。室内側は部屋の色調に合わせた塗装を選べる
アメリカ製の窓の例
重厚な天然木が層になってフレームを形成し、断熱・防音性を向上させる。室内側は部屋の色調に合わせた塗装を選べる

輸入建材の魅力を発信

――現在の会の活動はどんな内容ですか。

 会員は、キッチンデザイナーギルド事業部や、窓の断熱性能表示、断熱建材等のスタディグループを作り、課題解決のための話し合いを行っています。流通の効率化によるコストダウンを行い競争力を高めていこう等、活発な提案が出ています。入会のメリットをもっとアピールして、会員数も増やしていきたいと思っています。対外的には、まだまだ輸入建材について、プロもエンドユーザーも知らない方が多いので、製品の安全性や性能の良さ等を広く伝えていきたいと考えています。

――そもそも日本では、海外建材を目にする機会自体が少ないので、施主はもちろん、プロユーザーも商品を選びにくいようです。

 例えば窓は、日本では"採光"や"断熱"等の機能面を重視しますが、欧米ではインテリアの1つと考えます。窓枠は美しいアーチを描き、周囲は装飾性の高いモールディングを重ね貼りします。窓から見える景色は絵画で、窓枠はそれを引き立てる額縁なのです。欧米ではそういう窓を楽しむ文化があることなども、もっと紹介していきたいですね。

――欧米ではリフォームも極めて活発と聞きます。

 アメリカの住宅では、窓はチープなものから始まり、自分のステータスに応じてリフォームし、アップグレードさせていくのが普通です。欧米の上位窓のフレームは天然木が多いのですが、断熱性能はアルミの1000倍もあります。

 防音性も高く、我が家でも窓を閉めていると雨が降っていることに全く気付かないほど、静かです。そうした輸入建材の優れた性能や、個性的なデザイン等をしっかり情報発信し、皆で日本の市場を拡大させていきたいと思っています。

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