Tunnel 高重正彦社長
スマホで自宅を撮影投稿画像60万件超に
改装した部屋の写真をもとにユーザー同士が交流出来るSNS「ルームクリップ」が人気だ。模様替えやリフォームしたユーザーは自分の部屋をスマホで撮影して、「ルームクリップ」に投稿すると、閲覧していたユーザーから「いいね!」や「素敵ですね!」といったコメントが付く。自分のDIYを他人から評価されたり、改装アイデアを手軽に共有できたりする点が支持されている。現在スマホアプリのダウンロードは40万件を超え、月間ユニークユーザーは50万。投稿されている画像は60万点以上ある。高重正彦社長にサービスの狙いを聞いた。

スマホから他人のリアルなインテリアコーディネート事例を集められる
1人で1000枚投稿
――プロが手掛けたインテリアやリフォーム事例を紹介するウェブサービスはさまざまありますが、ルームクリップはまた別の視点を持ったサービスですね。
サイト上には60万点を超えるインテリア写真が投稿されているのですが、ほとんど一般の主婦の方が投稿したものです。リアルな部屋のインテリア実例を共有できる点がこのサービスの特徴です。熱心な人は1年で1000枚も投稿される方もいます。実際の利用者は7~8割が女性で、年代は20~30代後半が中心。家庭を持つ方が多い傾向にあります。男性の場合は、インテリアにこだわっている方の利用が多いですね。フィギュアとか自分の何か好きなものをインテリアとしてコーディネートし、それを投稿する方もいます。利用はほぼスマホからです。
――毎週「コンテスト」もやっていますね。
例えばIKEAのインテリアを使った部屋のコーディネートといったような企画を自社、または共催で行っています。これはIKEAのものを使った部屋の写真を投稿してもらって、コンテストを行うというものです。
――なぜユーザーの方はルームクリップに投稿するのでしょうか。
部屋を見せて、自分のインテリアの工夫を共感してもらったり、褒めてもらいたいのかなと思います。初めて投稿した人でも他のユーザーから「いいね!」が100くらい付いたりするんです。自分を分かってくれる人と出会えて、好みについて語り合えたり、つながったりできることは嬉しいですよね。
もちろん、Facebook、LINEといったサービスでも投稿できますが、毎日投稿するのはちょっと気が引けてしまう。でもルームクリップなら、部屋の改装に特化していますから気兼ねなくできる。ちょっと花瓶を変えたから投稿してみよう、なんていうものもありますよ。
生活者がトレンドをつくる
――多数のユーザーが改装アイデアを投稿する中で、ルームクリップ発のインテリアトレンドが生まれてきているようですね。
例えば、今はどの雑誌でも取り上げられていますが、「男前インテリア」というトレンドもルームクリップ発です。これは、さび加工や深めの木の色を使ったり、ちょっと男っぽいテイストが主婦の中で流行しているんです。それと最近はメイソンジャーなんかも流行しています。これはふたのある保存用ガラス瓶ですね。最近はインテリア雑誌のメディアの方々から、素敵な画像を投稿するユーザーさんを紹介してほしいという要望が増えています。コンテンツをオフラインへも提供していきたいと考えており、今、積極的にコラボしています。創造的な事例をまとめた雑誌「ルームクリップスタイル」も先月、第2弾を出版しました。

トレンドの1つ「男前インテリア」風のコーディネート事例を投稿したユーザーのページ

もう1つのトレンド「さび加工」。投稿した画像にいいね!やコメントを付けて交流できる
――生活者のインテリアの知恵が毎日集まってくる点が興味深いですね。
私どもは創造性を発揮している人を可視化して、みんながそれを活用していく、ということに関心があります。投稿しているのは普通の人なんですが、実はみなさん創造性を発揮していて、それを意外と本人も気付いていなかったりするんです。それが交流を通じて発見できたりする。いろんな人に自分の創造性に気付いてもらいたいですね。2017年には2000万人に利用してもらえるように、サービスを充実させていきたいです。

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