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ウッディワールドのざき、エンドユーザー...

ウッディワールドのざき、エンドユーザー対策を強化

ウッディワールドのざき
野﨑健太郎 社長
1178号 (2016/07/28発行) 21面
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ウッディワールドのざき 野﨑健太郎社長

ウッディワールドのざき 野﨑健太郎社長

 岡山県を地盤に年商56億円を売り上げる建材住設商社のウッディワールドのざきは、エンドユーザーに目を向けた"機能商社"を目指した会社改革を進めている。一般客に向けた住宅フェアやWEB企画を仕掛けることで「取引先である地元工務店ともウィンウィンの関係を築きたい」と野﨑健太郎社長は話す。

総合商社から"機能商社"へ

―― 設立から60年以上経っていますが、この間事業はどのような変遷をたどってきましたか。

 1951年、初代である祖父が当社を設立。当時の取扱商品は木材が中心でしたが、それを水まわり商品にまで広げたのが2代目である父。現在は木材から住設建材、木材プレカット加工まで手がける総合商社となっています。主な取引先は地域の工務店。平成に入ってからは、国内外のあらゆる木材を扱うという意味を込め、社名を「野﨑産業」から現在の「ウッディワールドのざき」に変更しています。

――現在の売上比率は。

 木材・プレカットが3割、建材3割、水回り・住設関連3割、サッシ・サイディングが1割。戸建ての材料をまんべんなく網羅している感じですね。

―― 初代、2代目で総合商社の基盤が築かれたわけですね。3代目としては引き続き同じ路線をいく予定ですか。

 いいえ。これからは単なる商社ではなく、エンドユーザーに目を向けた"機能商社"を目指します。

 いま具体的に着手しているのがWEBを使った集客。当社は11年前、地元工務店を紹介する総合サイト「住まい夢ネット」を開設。平均5棟以下の小規模工務店およそ70社を紹介していますが、このサイトを活用し、エンドユーザーへのアプローチを強めています。

―― 大手ハウスメーカーのように宣伝力がない分、集まって情報発信力を高めようということですね。

 そうです。住まい夢ネットでは今年「岡山住宅総選挙」を実施。サイトに掲載されている施工例250件の中から「こんな家に住みたい」と思う家を選んで、一般ユーザーに投票してもらうというWEB企画です。

―― AKBの総選挙みたいですね(笑)。

 はい(笑)。狙ったのはアクセス数増加と地元工務店の認知度アップ。投票を通じて、岡山在住の人に「こんな工務店があるんだ」ということを知ってもらうのが最大の目的です。投票結果は6月下旬に開催の当社主催イベント「住まい夢フェア」で発表。ナンバーワンの工務店には「○○部門第一位」のプレートを掲げてもらい、よりPR力を高めていただこうという試みです。――「住まい夢フェア」は、岡山では大きなエンドユーザー向け住宅イベントですね。集客効果はどのくらいありますか。

 平成3年から開催していますが、昨年は2日間で6500人、今年は8000人と参加人数は増えています。こうしたフェアに来られる消費者は、本気で新築やリフォームを考えている方。ですから出展している工務店が実際に受注する率が高い。1社当たり1~2件は受注にこぎつけています。

―― ホームページにある「うちの『わ』」もエンドユーザー向けですが、こちらは住宅とは関係のない話題が載っています。その意図は。

 うちの「わ」は、岡山での暮らしを応援するサイト。生活提案から新築・リフォームの受注につなげていくのが狙いですが、現在は地元カフェの紹介や郷土料理レシピなど、住宅とは一見関係ない話題を載せ、アクセス数を稼いでいます。

 無印良品のように生活応援から家づくりにつなげていくのが理想。実際にサイトを通じて受注もしており、当社が元請けとして工事を行う場合もあります。直接工事を受注できるようになると、不動産、家電店、介護施設と客先が大きく広がります。

―― しかし商社が直請けすると、顧客である地元工務店とバッティングするのでは。

 それを回避するため、他の工務店があまり手がけていない介護リフォームなどを行っています。やはり長年お付き合いしてきた地域工務店とともに成長していきたいですから。

―― 共存共栄に向け、他には具体的な策を講じていますか。

 3年前から、次世代を担う県内の工務店とともに「次世代後継者育成塾」を開き、勉強会を行っています。年6回を1期とし、15人以下という少人数制で濃く学んでいます。いずれは塾生OBをネットワーク化し、やる気のある若手工務店とともに、新しいことをやりたいですね。

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