ケイミュー 野浦高義社長
外装材で資産価値を高める
屋根材、外壁材をはじめとする住宅外装材トップメーカー、ケイミュー(大阪府大阪市)が、リフォーム強化に本腰を入れる。新築需要に回復の見込みが望めない中「いよいよ腹をくくる時が来た」と野浦高義社長は言う。クボタとパナソニックの住宅外装建材部門が事業統合して、同社が誕生して12年。この先のビジョンについて聞いた。(聞き手・本紙社長加覧光次郎)
「光セラ」が前年120%で好調
――昨年4月の社長就任時の会見で「日本の将来を見ればリフォームビジネスにどれだけ真剣に取り組むかが勝ち負けにつながると思っています」とコメントされていましたね。そこで改めてお聞きします。今後のリフォーム市場をどう見ていますか。
野村総研の予測によると、新築着工数は2025年には60万戸にまで落ち込みます。たとえ東京オリンピックで新築需要が少し上向いたとしても、徹底的に覚悟を決め、リフォーム強化に取り組むべきだと考えています。住宅ストックに対し、どんなビジネスモデルを仕掛け、中古住宅や空き家などの社会問題解決に貢献するか。それを果たして初めて、2020年の堅実な会社経営を実現できると思っています。
――本紙編集部の2016年トレンド予測で、10大トレンドのひとつに「外壁改修で資産価値向上」を掲げました。
家の価値がどんどん変化する中、住まいの資産価値を上げるための付加価値商品があってしかるべきです。リフォームではとかく水まわりや内装に目が向けられていましたが、今後は屋根や外壁といった「外から見える部分」に可能性が広がるでしょう。
――しかし、外壁リフォームといえば現状、主体となっているのは塗装です。サイディングを含め、高付加価値商品の戦略をどう考えていますか。
たとえば3年ほど前に発売した「CBウォール工法」は、屋根材のカラーベストを外壁に使ったデザイン訴求型商品です。シーリングレスである上、色が多彩で組み合わせが自由なため、設計事務所に人気が高いのです。2015年のケイミュー施工事例コンテストで特別賞を受賞した個人邸も、この外壁材を使って個性的なデザインに仕上げられています。

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