博報堂 新しい大人文化研究所 阪本節郎 統括プロデューサー
リフォームのメーンターゲットである、シニア世代の消費動向が変わりつつある。これまで「60歳を過ぎれば余生」という考え方が当たり前だったが、むしろこれからの人生を楽しむ人たちが増加している。リフォーム会社は、彼らの関心をどう集めればいいのか。博報堂(東京都港区)新しい大人文化研究所の阪本節郎統括プロデューサーに話を聞いた。
60代から人生花開く
――シニア世代が変わってきていると指摘されていますが、どう変化しているのでしょう。
大きな違いは、「これから感」。これまでは、「60歳を過ぎた余生」というのが当然で、すべての人は無個性な老人になっていくという人生観でした。最近では、「これから人生を花開かせたい」というように変化しています。「会社のため」、「子供のため」というのを一旦卒業して、自分らしくありたいものです。
当社の調査では、「これからの人生で、新しいライフスタイルを創っていきたいか」という質問に対して、60代男性87.2%、女性の91.1%が「そう感じる」と答えています。男性の場合は、40代よりも4ポイントほど高い数値なんですよ。
――夫婦関係に変化はあるのでしょうか。
変わってきています。要因は、団塊世代から、お見合い結婚と恋愛結婚の割合が逆転していること。一緒に同じ趣味を楽しむような「友達夫婦」が始まっている世代です。
「新しい」シニアを読み解く3つのキーワード
(1)これから感
50、60代から新しいライフスタイルをつくりたいと考える人が多い。年齢を重ねても、これまで以上に消費が見込める
(2)恋愛結婚
見合い結婚と恋愛結婚の割合が逆転。友達感覚の夫婦が増え、男性側が積極的に夫婦仲を改善させようという傾向がある
(3)賢い消費者
質の良い物を、お得な価格で手に入れたいという考えが強い。これまでより価格に対してシビアな目を持つ

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