小屋裏点検と床下点検は、その家の状態を知る上で欠かせない業務だ。点検に臨む前に、注意点をチェックして、ケガや見落としがないように準備を整えよう。
PART 1 小屋裏、床下点検はリスクが多い
小屋裏と床下の点検作業は多くのリスクを伴い、事故につながることもある。国土交通省が策定したインスペクション(注)では基本的に点検口からの目視確認となっている。しかし、リフォームの現場では潜入しての確認が必要となることもある。潜入する際は以下のリスクを念頭に置いた上で臨むようにしよう。
注)国土交通省が2013年に策定した建物診断のガイドライン。建築士などが劣化の状況や欠陥の有無などを調査す
るもの。近年中古住宅を売買する際のインスペクションが注目されている。
【小屋裏点検】
✓内部が高温になるため熱中症に注意
✓電線を踏む危険
✓天井板を突き抜ける危険
【床下点検】
✓無理して進むと戻れなくなる
✓お客さんが穴に落ちる
PART 2 点検の目的は?
点検の目的と、確認する場所を明確にしよう。間仕切り変更のように建築士等による点検が必要な場合や、電気系統の不具合など専門業者による調査が必要なときもある。潜入が必要か、点検口からの確認で済むか、点検報告書の作成が必要か、内容によって判断する。
【小屋裏点検】
✓天井のシミが気になる
雨漏れのシミや湿気によるもの、他に小動物の糞によってできる場合もある。
✓雨漏れがあった
雨漏れは屋根だけではなく、壁からの雨漏れも少なくない。
✓2階が暑い 断熱材は入っている?
断熱材が入っていないか、入っていても厚みが足りなかったり湿ったりして機能しないことも。換気が良くない場合もある。
雨もれのシミを確認
!ここにも注意!
天井のシミは、和室の天井の場合、天然素材の天井板は色の変化でわかりやすいが、表面がプリント加工の天井板は色の変化がなく、わかりにくいので注意しよう。
【床下点検】
✓水回りの木の腐れが気になる
浴室入口の敷居がブヨブヨして気が付く例が多い。湿った状態を放置すると、シロアリを呼ぶ原因にもなる。
✓床鳴りや床の沈みがある
床鳴りの原因は(1)新しい床のきしみ音、(2)床下地の合
板とフローリングの間の隙間、(3)束など床下の木部の問題がある。床の沈みは、床の下地材(コンパネ)がなく、仕上げ材が根太に直接貼られている場合が多い。
✓シロアリ被害の有無
シロアリは土の中に住み、木材のところまで土でトンネル状の道を作って登っていく。この道を蟻道という。水回りの湿った木が被害に遭いやすい。
PART 3 事前に図面をチェックしよう
点検に臨む前に、図面で建物の構造、築年数、屋根形状、基礎形状などを確認する。大規模リフォームや雨漏れ・補修履歴、シロアリ駆除の履歴、その他気になることを事前にヒアリングしよう。
小屋裏・床下点検の服装(危険から身を守ろう)
どんな危険?
●頭をぶつける危険がある
●木のささくれやクギが出ている
●細かい埃が舞う
●カビ臭や埃がある
●腹や背中がこすれる
●首から砂や埃が入る
カメラやビデオは、埃対策を。点検後にテレビ画面に映し出してお客様に報告できるように、ケーブルを忘れず準備しよう。
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