《リフォーム営業の星》テレビADを経て...

　今回紹介するのは、スマイルユウ（東京都豊島区）の大塚勇磨氏。大塚氏は大学卒業後、テレビ番組の制作会社で5年間ADとして働き、父・大塚義久氏が創業した同社に3年前に入社。

スマイルユウ（東京都豊島区）
大塚勇磨 氏

《PROFILE》
大学卒業後、テレビ制作会社に入社。ADとして5年間勤めたが、3年前に父親が経営するスマイルユウに入社。会社を継ぐことを視野に入れながら、営業として活躍中。

結婚を機に向き合った、後継ぎという選択肢

　「家でもゴロゴロしている父の姿をまったく見たことがなく、常に仕事のことを考えていました。その姿勢をずっと見てきましたし、学生の頃アルバイトでチラシ配りをやらせてもらったりはしましたが、まさか会社を継ぐとは思っていませんでした」と大塚氏は語る。父の義久氏から会社に入らないかという話は何度かあったという。しかし、「社長の息子だから会社に入ったと思われるのではないかと、社員の目にどう映るかを気にしてしまい怖かった」と言い、大学卒業後は別の道を選ぶことに。エンターテイメントが好きだったため、テレビ番組の制作会社に入社した。

　ADの仕事は楽しかったと振り返る。転機となったのは結婚だった。「自分のこの先の人生を考えたときに、ADの仕事を40歳以上になっても続けられるだろうかと思いました。そのとき初めて自分には後を継ぐという選択肢があるのだと本気で考えました。そして、その選択肢を選べない人もいる中で、選べるのは贅沢なことなんだと思いました」

　こうして3年前に同社への入社を決意。営業の仕事は初めての経験だったが、契約を結び、直接お金のやり取りをして工事を任されることに新鮮さや面白みを感じた。

建物の価値を守る防水工事にやりがい

　大塚氏は現在、外壁や防水工事を専門にやっている。特に防水工事にやりがいを感じているという。「雨漏りをしてしまうと建物全体の価値が下がってしまいます。クロスの張り替えがアクセサリーや洋服を替えることならば、防水工事は病気を治すようなものです。雨漏りがあれば100％止めて安心してもらいたい」と語る。

　会社を継ぐことも視野に入れながら、日々の業務に励んでいる大塚氏。目の前には常に一級建築士である父の背中があるが、「例え、建築士の資格をとっても父を超えられない。父が持つ現場監督30年という経歴も今からでは手に入りません。別の方向からいけば、それが会社の魅力や形になっていくのではないかと思うので、私は営業マンの視点から極めていきたい」と語る。「自分なりの経営者像をイメージし続けたいと思っています」