10年後も依頼されるOBフォロー術
日々多忙であっても、OB顧客のフォローも意識した営業活動を行いたい。各社の取り組みを紹介する。
サンエキ・山口さんの抜け・漏れを防ぐOBフォロー術
OB顧客の管理を仕組み化し、顧客の抜けや漏れなくフォロー出来る体制を作った山口さんの取り組みをレポート。
サンエキ(神奈川県厚木市)
山口直也 取締役
元々IT業界で、介護や医療などヘルスケア事業に携わる。4年前に父親の山口寿夫氏が経営し、プロパンガスや器具の販売・リフォーム工事を手掛けるサンエキに転職し、リフォーム事業の統括責任者を任される。外壁塗装専任のスタッフを設け、年間3000万円ほどだった外壁塗装工事を1億3000万円まで伸ばすなど手腕を発揮する。現在35歳。
紙ベースの顧客管理から脱却
営業活動と並行してOBフォロー
2019年度は前年比130%、2億6000万円を売り上げたサンエキ(神奈川県厚木市)。受注件数の7割がOB顧客からのリピート受注。これまでは効率的なOBフォローが必須の課題だった。
同社にはプロパンガス事業およびリフォームの顧客が約5000件ある。ニュースレターを持参しての訪問、完工後から1週間後と30日後の電話連絡、誕生日のお花プレゼントなどで定期的にOB顧客とコンタクトを取っていたが、紙ベースで管理していたため効率が悪く、抜けや漏れも発生していた。
そこで山口さんが一昨年より取り入れたのが、サイボウズの「キントーン」を利用した顧客・業務プロセスのシステム管理だ。
これにより、定期的な訪問ができていないOB顧客のリストアップは簡単になり、電話連絡が必要なタイミングでアラートを出せるようになった。多忙な営業活動と並行して、効率のよいOBフォローが実現した。同社の取り組みを詳しく見ていこう。
OBフォロー術 1
完工から7日後と30日後に電話フォロー
サンエキでは、リフォームの工事完工から7日後と30日後に、営業担当者がOB顧客に不具合や不満がないかの電話連絡を行う。
「『お風呂の水の出が悪い』といった軽微な問題のキャッチアップが目的です。大きな問題があればご連絡いただけますが、お客様も遠慮して言えないことが聞き出せます」(山口さん)
この電話フォローも顧客管理のプロセスに組み込まれ、アラートが発生する仕組みになっている。満足度が一番上がっている完工の直後の取り組みで、自社の印象をアップさせている。
OBフォロー術 2
誕生日リストを社内に掲示、プレゼントを徹底
OB顧客の誕生日にお花をプレゼントする取り組みも長年実施。ただ、OB顧客は約2000件と膨大で、毎日誕生日がある。山口さんはその月の誕生日者リストを印刷し、社内に掲示。「担当が毎日の営業活動に、お花の手渡し時間を組み込みやすくなりました。定期的にコンタクトを取るきっかけを作り、ライフタイムバリューを最大化するのが狙いです」
お花のプレゼントが終わった顧客は線を引いていく仕組み。
OBフォロー術 3
180日間で100%訪問を目標に掲げる
同社ではOB顧客に対し、完工から30日間で30%、60日間で70%、180日間で100%と訪問率の目標値を確定。キントーンでOB顧客や業務のプロセス管理を行い、エリアごとの訪問率や該当顧客を出せるようシステム化した。山口さんが週1回営業担当者全員にレポート。営業担当者も訪問すべき顧客が可視化され、定期的なコンタクトが可能になった。
「システム管理することで訪問履歴が残り、過去の担当者やトラブルがあった場合の情報も把握できます」
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