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《施主を工事うつにさせない現場の処方箋》現場の品質向上が一番の営業活動になる

1417号(2020/07/20発行)21面
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裸足で歩けるくらい現場をピカピカに

「現場品質を上げることが一番の営業になる」。こう話すのは、頸城建工・住まいのリフォーム専門店アクト長岡店で現場管理業務を行う井嶋泉美さんだ。「工事中は音の問題もありますが、家の中が埃っぽくなることがお客様にとって一番のストレスになると思っています。ちょっとでも埃があったら嫌だなという女性目線を生かして、現場は「裸足で歩けるくらいピカピカに」をモットーに、養生も職人任せにせず自らおこなっています」という井嶋さんの、現場管理術を紹介していく。

頸城建工 住まいのリフォーム専門店 アクト 井嶋泉美さん頸城建工 住まいのリフォーム専門店 アクト
井嶋泉美さん

2004年に頸城建工に入社し、16年目になる。以前は、新築の輸入住宅の設計業務に従事。設計業務を経て、現場品質を上げたいという思いから、5年前より現場管理業務をメインにする。一級建築士の資格を所有。長岡店に勤務。

◇段取り◇

お片付けのリミットを工程表に明記しておく
リフォーム前に必要な片づけについて事前に伝えていたとしても、中には忘れてしまう施主もいる。工程表には、片づけしなければならないリミットを、工事の順番に沿って分かりやすく記載。施主の協力を得る事で、スムーズに工事を進められる。

頚城建工 お片付けのリミットを工程表に明記しておく

工程表を出す前に職人に下見をしてもらう
工事の段取りが狂い工期が伸びれば、施主のストレスも倍増だ。井嶋さんは、施主に工程表を出す前、主要の職人と一緒に下見してもらうプロセスを設け、工事のリスクや注意点の洗い出しを行う。職人から具体的なアドバイスがもらえ、より手戻りのない工程表を組む事が可能になる。「例えば壁紙張リ替えでは、事前に職人さんに見てもらう事で『クロスが固くなって剥がれにくく通常より時間がかかる』といった事が判明したりします。水道管工事では、事前に水道屋さんに見てもらえば、排管の材料によって工事範囲が変わってくる事などが判明します。職人さんも図面を渡すより頭に入りやすいらしく、心構えができます。とはいえ、手間が発生するので、成約が決まっている案件で、必要最小限の職人さんにお願いしていますね」

◇コミュニケーション◇

音は大げさに説明心構えをしてもらう
音の問題については、施主に工程を説明する際、多少大げさに伝えるようにしている。「在来の浴室を解体する時は、『道路を掘削するような凄い音がします』と伝えています。こうするとお施主様も心構えができて、工事後は『思ったより音が大きくなかったね』と安心してもらえます」。近隣挨拶の際は「一番うるさいのはこの日です」とピンポイントで伝え、前日に「明日からうるさくなります」とアナウンス。

◇養生◇

職人任せはNG養生は基本的に自分で
養生は職人任せにせず、自身で納得できるまで行う。「職人さんに任せると工事の時間が減ってしまうので、基本的に自分で方法を決め、自分で養生します」。 家具類はひとまとめにシートで覆うのではなく、1個ずつ覆ってテープでまとめる。「この方が後で動かす際にもラクです」。掃除も徹底。帰る時だけでなく、日中も掃除を小まめに行い、常に綺麗な現場を保つ努力をする。「お施主様から、ここまでやるの? と思われるくらい養生や掃除をする事で、安心感を持ってもらえます。万が一何かを傷付けてしまった時も気持ちの面で違うのではないかなと思っています」

工事をしない箇所も埃を徹底的に防止
養生の目的は、家に傷を付けないだけでなく、生活を守る事だ。井嶋さんは、工事を行う箇所だけでなく、工事とは関係のない場所まで徹底的に養生する。例えば、玄関廊下から続く2階への階段。人の出入りによる風で埃が上にいってしまうため、天井からマスカを貼る。また、人形等玄関に飾っているものを、作業中にひっかかって落としてしまう危険もある。「玄関は空間を覆おうように養生します。また、棚の上なども奥の方に埃が入っていないかなど確認します」

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