マツワ(鳥取県鳥取市)は、年商約15億円、うち7.9億円をリフォーム事業が占める。年間受注件数は1468件で、月に約170件の問い合わせのうち、約7割が成約と高い契約率を誇る。その背景には、初回訪問で信頼を構築する工夫がある。
マツワ(鳥取県鳥取市)
創業は1908年、鳥取市で100年以上続く企業。畳店として起業し、ふすまや内装工事を経て2003年にリフォーム事業を開始した。リフォーム年間売上高7.9億円。
代表取締役社長
松岡智也さん
見込みを見極め、無理な営業はしない
押し売りをしない初回訪問で、施主の意向を優先し、営業効率も上げるマツワ。
例えば雑談。はじめに世間話を挟んでから、場を盛り上げる戦略もある。しかし社長の松岡智也さんは、ある程度話が進んでから、間が空いたタイミングで入れるのがベターだと話す。
「お客様も忙しいなか時間をつくってくれているので、いきなり世間話ばかりだと、本題を後回しにしている印象を与えかねません。要件を早く伝えたい方も多いと思います」
最後は必ず、次回見積もり提出のアポをとる。ただし、現調時に提示した概算金額への施主の反応を見て、見込みが低いと判断した場合は、見積もりを出さず次回アポもとらない方針だ。
「見込みの低い方への追客は、基本的に行いません。しつこい営業をしないのがうちのスタンス。対応件数も多いため、他の仕事が滞らないように進行する必要があります」
事前に予算感のズレを防いでいるのは、チラシやテレビCMの効果が大きい。おおよその金額明示、集客・認知度向上に加え、施主の金銭的な不安を払拭できている。
「なぜ測るか」の理解が精度を高める
機械的に寸法を測るのではなく「何のために測るのか」を理解することで、測り忘れが起きにくくなる。
《例えば玄関・廊下の床を張り替える場合》
廊下の奥行きなどの寸法のほか、玄関框の間口と高さも測るのはなぜか?
→寸法に適した框でないといけない→測っていないと発注できない
ヒアリングや現調シートを用いる場合でも、知っておくと◎
メモ:大事なのは見積もりをつくるために必要な情報が足りているか。ここに不足があると、次に進めない
