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《断熱最前線第5回》首都大学東京、40~60代改修意識高い

《断熱最前線 第5回》首都大学東京、40~60代 改修意識高い

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20~40代には生活の質向上を訴求

 居住者は断熱に対してどのような意識を持っているのか。そして、事業者は居住者に対してどのように断熱の価値を訴求していけば良いのか。環境共生建築や温熱快適性などを研究する首都大学東京 都市環境科学研究科建築学域・須永修通教授に実態と対策を聞いた。

首都大学東京 都市環境科学研究科 建築学域 須永修通 教授首都大学東京
都市環境科学研究科 建築学域
須永修通 教授

改修時、断熱も同時に提案を

 須永教授、小野寺宏子特任研究員らが実施した居住者の意識に関するアンケート調査では、東京都内の戸建て団地居住者を対象とし、721世帯から回答を得た。回答者の属性は平均築年数が32年、居間の窓ガラスはシングルガラスが72%、ペアガラスが24%、リフォーム経験があると回答した人は87%だ。

 調査結果によると、実施したリフォームは「外壁や屋根の塗装」が584世帯、「給湯機器の交換」が564世帯、「壁紙や床材の張替え」が518世帯、「水まわり設備の交換」が517世帯と多く、「壁・屋根・床の断熱改修」は145世帯、「窓の断熱改修」は104世帯と断熱改修は非常に少ない。その断熱改修した世帯では75%が壁・屋根・床の断熱改修をしており、外壁や屋根、壁紙や床材の改修時に、断熱改修も同時に行ったのではないかと須永教授らは推測。給湯器の交換や付帯設備の交換を行った世帯も多いため、その時に断熱改修を勧めることが必要ではないかと語る。

 「断熱改修経験あり」と回答した196世帯中、窓の改修を実施した世帯が約半分という点もポイントだ。壁・屋根・床の断熱改修を実施した世帯が92世帯、窓の断熱改修を実施した世帯が51世帯、両方実施した世帯が53世帯。須永教授は「半数以上の世帯は、窓の断熱改修を実施していないということ。窓の改修は、工期も施工費もそこまでかかりませんし、断熱性能が格段に上がります」

 リフォームの予定についての回答結果は、「必要性を感じない」と回答したのが、20代〜30代は15世帯中8世帯、70代以上は352世帯中128世帯と多くを占めた。一方、40~60代は234世帯中64世帯と比較的少なく、「リフォームする予定がある」は17世帯、「したいと思っている」が113世帯と多い。また、実施したいリフォーム項目で「温熱快適性向上」と回答したのは、「リフォーム経験あり」の世帯が「リフォーム経験なし」の世帯より多い。

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