参院選目前、住宅政策が争点に 与野党候補者を直撃

7月10日に投開票が行われる参院選に向け、各党のマニフェスト（政権公約）が出揃った。248の議席数のうち、改選、欠員などの計125議席が争われる。与野党ともに住宅関連政策が明記されており、別表にまとめた。

自民と公明の連立与党は2050年のカーボンニュートラル実現に向け、住宅の省エネ化を訴える。加えて、ウッドショックに代表される物価上昇対策、賃上げ、子育て支援といった目下の課題解決にも取り組む。

省エネ化を推進するのは野党も同じで、住宅の断熱改修やエコ住宅設備のニーズはますます高まりそうだ。加えて家賃補助、インボイス（適格請求書）制度廃止などによる生活困窮者、零細業者支援策も目立つ。

参議院選挙2022

各党の住宅・建設業関連政策

	「脱炭素」を成長の起爆剤に。住宅の省エネ化 子育て世代等への居住支援、住宅需要喚起策を強化 ウッドショックに対応した国産材供給体制を構築
	「低炭素まちづくり法」を活用し、安心住生活を実現 建築基準法の改正の検討、耐震改修を強力に推進 インボイス制度の廃止
	建設業で原材料費等の取引価格を反映した請負代金設定 住宅や建築物の省エネ化、断熱性能向上を進める 住宅手当などを通じて「住まいの保障」に取り組む
	「中古住宅高付加価値法（仮称）」を制定、流通促進 高齢者向け住宅の供給拡大、耐震化や省エネ化を推進 インボイス制度は導入しない
	太陽光など再生可能エネルギー導入で地方経済を活性化 「下請けいじめ」防止、下請け代金支払遅延等防止法運用 子育て世代向けの住宅利用等など子育て支援サービス拡充
	家賃補助や公的住宅で住居へのセーフティーネット拡充 省エネの取り組みを都市・住宅などあらゆる分野で進める インボイス導入を、ただちに中止
	住居確保給付金の支給期間撤廃、普遍的な家賃補助制度に 民間アパートの空き室を借り上げ、現物給付など公的支援 公営住宅の老朽化対策、住居喪失者のため空き家活用

与野党候補者に問う
日本の住宅・建設業の未来

自由民主党

「新3Kで労働改善を」公共工事拡大がカギ

賃上げに意欲

「建設産業の再生なくして日本の再生なし。給与アップ、休暇アップ、希望アップの新3Kを掲げます」と、声高に訴えるのは、参院議員の足立敏之氏だ。自民党の比例代表として今夏の参院選に出馬する同氏は、元国土交通省官僚で建設・住宅産業の専門家でもある。