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小売業大手カインズ(埼玉県本庄市)のリフォーム売上高がホームセンター(HC)で1位※となる320億円に達したことがわかった。売上増を下支えするのは、自社職人による駆けつけ工事、有資格者による店舗での接客、そしてリニューアルしたウェブサイトだ。
※本紙「業種別リフォーム売上ランキング」(2022/11/28発行)に基づく
1万円以下の「小さな親切」蓄積
工事件数18万件
リフォーム受注の入り口は「スマイルサービス」という駆けつけ工事だ。工事内容は例えば、便座を変える、家具を組み立てる、エアコンを取り付ける、といった1万円以下のものが多い。これを100店舗、50人ほどの自社職人が請け負う。職人は未経験者を積極採用。採用基準は、人を助けたい、喜ばせたいという思いがあるかどうか。KPI指標を売上や粗利高ではなく、顧客宅への訪問回数に設定する。小さな工事を積み重ねることでリピート受注を増やし、より大きな注文へとつなげるのが狙いだ。
同社のリフォーム工事件数は年間18万件ほど。平均単価は非公開だが、売上高を件数で割ると、推計ではおおよそ18万円となる。社名の由来となった「カインドネス(親切さ)」の精神を重視する同社。リフォーム事業を始めて30年来、そのスタンスを貫いてきた。
「他社がやりたがらないことを率先してやります。例えば電球1個の取り付けを1200円で受注します。訪問したら、おばあちゃんとお茶を飲むことになったりして、赤字になることも珍しくない。ただ、これを積み重ねることで、お客様がロイヤルカスタマー化していく。駆けつけ工事の次は『ポイントリフォーム』と呼んでいるエクステリアや水回り交換へ。あれよあれよ、と1000万円のフルリフォームにつながることも」と、リフォーム事業責任者の高木育雄部長は話す。
増改築など500万円以上の案件は、一級建築士らが所属する「カインズ365(サンロクゴ)」という別会社で対応する体制を整えている。
資格保有者が接客
もうひとつの強みは、店舗での接客だ。ここにもホスピタリティを重視する姿勢が表れている。全国にあるホームセンターの234店舗中、175店舗にリフォーム専任者が常駐するリフォーム窓口を設けた。うち半数が女性で、パートとして働く主婦も少なくない。顧客層と同じ目線でコミュニケーションができる点が彼女らの強みだ。
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