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全国305拠点にホームセンター「コーナン」を展開するコーナン商事(大阪府堺市)。リフォーム事業を強化しており、今期は売上高100億円の大台を目指す。ホームセンターならではの強みを生かしたビジネスモデルを紹介する。

「GoGoリフォーム」「悠々セカンドライフ」といったタイトルでリフォームをPRするチラシ
10のリフォームセンター
コーナン商事が96億円という過去最高のリフォーム売上高を記録したのは、消費増税の駆け込みがあった2014年2月期決算。2015年2月期はその反動を受け、わずかに減収。売上高は90億円強にとどまった。今期は挽回するべく売上高計画を「100億円超え」に照準を合わせた。
同社のリフォームビジネスの特徴は3つある。1つは「リフォームセンター」という体制を採用しているということ。同社では全国305店舗のうち、約250店舗のホームセンター「コーナン」でリフォーム相談を受け付けている。中型、大型のショップでは店内に30~40坪程度の スペースを使ってリフォーム商材の展示を行っている。
この窓口にリフォーム相談が来た場合、受付スタッフは全国に10カ所ある「リフォームセンター」に所属しているスタッフに、ヒアリング情報を伝達する。
センターのスタッフは、パートナーの工事会社150社の中から最適な業者を選択し、ユーザー宅の現場調査を依頼する。契約時にはスタッフも同行し、その後リフォーム工事がスタートするという流れだ。
センターには40人弱のリフォーム対応の専門家が在籍しており、1つのセンターにつき20~40店舗のホームセンターを管轄している。
リフォームセンター制を採用する理由についてリフォーム営業部、垣内達也部長はこう話す。「ホームセンター内にはリフォームに詳しくないものもいますので、知識にたけたセンターのスタッフに引き継いで対応する方がお客様に迷惑がかからず、効率的に動くことができます。また、展示や人員が充実していない小規模な店舗でも、受注の機会を逃さずに済むこともメリットです」
買い物客は年間1.5億人超
2つ目の特徴は圧倒的な「集客力」だ。コーナンに買い物に来る顧客数は年間で1億5000人を超える。ホームセンターという敷居の低さは、リフォーム会社や工務店にはない強み。何か買い物をしにきたユーザーがふらりとリフォームコーナーに立ち寄り、商品を見て、見積もりだけとってみるというケースは少なくない。実際に同社の売り上げのうち7割が新規客となっており、潜在顧客の開拓に強い。
3つ目の特徴が「価格競争力」。「年間6万件のリフォーム工事をやっていますので、仕入れ力はあります。やはり通常の工務店さんに比べるとモノは安い」と垣内部長。
例えば、YKK APの複層ガラス「プラマードU」Low-Eタイプも割安感のある価格で提供しており、施工実績は全国で1位となっている。
さらに水まわりリフォームの競争力を高めるために、オリジナルキッチンまで開発している。大手メーカーと同等の品質を持ちながらも、本体価格を20~30万円ほどに抑えた商品だ。

「コーナンオリジナル」のシステムキッチンも販売開始
1万円切る「コンビニサポート」
売上高100億円突破に向けて今後注力していくことの1つが、さらなる顧客数の拡大。これまでの累計顧客数は数十万という規模だが、さらに顧客数を伸ばし、リピートオーダーを増やしていく方針だ。
具体的な策としては1万円を切る価格で家の困りごとに対応する「コンビニサポート」を推進し、受注数を増やしていく考えだ。「最初は1万円のリフォームでも、次のリフォームの時には50万円の依頼が来ることもあります。今後は新規開拓だけでなく、既存顧客のリピート受注も伸ばしたい」(同部長)

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