サーモグラフィーで寒さを説明
新築や既存住宅の性能向上リフォームに多数実績を持つのが佐藤工務店(埼玉県上尾市)だ。埼玉県近郊で活躍する住まいづくりのプロが集まる団体「さいたま断熱改修会議」で、エンドユーザーに断熱の重要さを伝える取り組みなどを行っている。性能向上リフォームに重要なポイントについて佐藤喜夫社長に聞いた。
上:築約35年の中古戸建てを購入し、リノベーションした
下:HEAT20G2レベル相当を実現した
自宅の寒さの原因をビジュアルで解説
同社では家の寒さについて、施主にサーモグラフィーを活用して説明している。例えば冬に施主宅で打ち合わせをする時、施主が事前にストーブをつけて部屋を暖かくしているケースがある。ストーブをつければつけるほど暖かい空気が上に上がり、上がった分だけ冷たい空気が入ってくる。床面と天井面の温度差がはっきり出るため、サーモグラフィーで撮影して施主へ説明すると何を直すべきか理解されやすい。佐藤社長は「もちろん断熱がしっかりしたモデルハウスなどで性能を体感できますが、自分の家が全く同じ環境になるとはなかなか想像できません。サーモグラフィーで現状を見せることが非常に重要です」と語る。
サーモグラフィーで現状を見せることがポイント
場合によっては、窓などを全て締め切って台所の換気扇を動かす。サーモグラフィー越しで見ると、幅木やコンセントの隙間から冷たい空気が入ってくることが分かる。特に動画撮影ができるサーモグラフィーでその様子を撮影すると一目瞭然だ。
「最初は室温なんですが換気扇を動かした途端に冷たい空気がぶわーっと入ってきます。お客さんも寒くなる原因はこれなのねと理解しやすい。また、こうしたツールを使うとお客さんの安心感にもつながります」
