岡崎産業
岡崎 信一 社長
大阪市の中心部に本社と倉庫を構える管材商社の岡崎産業。岡崎信一社長は、5年前に代表取締役に就任した。
「父親が創業した当時、この辺りは材木問屋の倉庫街でした。ですが時代の流れで、問屋の多くが大阪郊外に移転。そのおかげでまとまった土地が取得でき、多品種を在庫できるようになりました」(岡崎社長)
社員数は96人、売上高は2014年度6月期で54億円。売上比率は、管材が6割、設備系が3割、その他が1割だ。管材については、配達や倉庫業務をアウトソーシングせずに自社で実施。品ぞろえの良さと迅速対応で、顧客の信頼を集めてきた。
「値段で勝負する商売だけはやりたくないという思いから、『現場の工事に役立ち、間に合う』を重視してきました。自社トラックを導入したのも、他社に先駆けてでした」
管材一筋の思いは変わらないが、地域の水工店が次々と廃業する中、設備販売にも注力。
設備工事店の声を商品に反映させるため、メーカーには積極的にフィードバックを行う。
「私は、かなり『うるさい』ほう。でも言う人がいないと、商品も業界も良くなりませんから」
銀行員を5年務め、金融業界の激務を一通り経験。リーディングなども手掛けていたが、27歳のとき、家業の継承を決めて同社へ。当時20億円に届かなかった売り上げは、20年強で3倍近くに伸びた。
管材企業がリフォーム分野の開拓に後れを取る中、同社のリフォーム系売上高は好調。今後はさらに力を入れていきたいという。
「一般の事務所を含めた住宅の改修工事では、注文したらすぐ配送してほしいというニーズが高い。私どもは、市街地という立地を生かしたこまめな配送ができるので、設備工事店さんに重宝してもらっています。これからは、リフォームやリノベーションに力を入れるところしか生き残れない。需要取り込みのために、いま新たな戦略を練っている最中です」

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