ガス会社が餃子の王将を出店?リフォーム、不動産と事業を広げ年商52億円!エネチタの多角化戦略のカギは「住民の声に寄り添えるか」
年商52億円のエネチタ(愛知県知多郡)は、LPガス販売やガソリンスタンドなどエネルギー事業をメインとしつつ、10年ほど前から新規事業を本格化してきた。リフォームや不動産のほか、「餃子の王将」のFCに加盟するなど異業種にも挑戦。商圏に住む住民が求めるサービスを展開する、同社の多角化戦略に迫った。
【リポート/編集部 後藤梓】
年商は52億円。10年ほど前から始めた新規事業が44%を占めている
「知多半島に必要か」を軸に事業展開
事業の幅は広いが、「何でも屋になりたいわけではない」と後藤康之社長は強調する。カギを握るのは、5市5町に及ぶ愛知県の知多半島という商圏だ。リフォームで高単価の受注がとれたとしても、半島から離れた地域に住む方だと判明すれば営業マンに始末書を書かせるほど、このエリア設定は徹底している。
「新規事業は経営の安定化を図れるものの、会社の利益を用いるので、リスクも伴います。やみくもに始めず、このエリアにないものや既に展開されているサービスの特徴をもとに、人口63万人に必要なものを考えました」と後藤社長は語る。
リフォームは水回りで勝負
どんなリフォームを提供すれば地域住民が喜ぶか。その結論の1つが、スピーディに水回りリフォームを提供することだ。実現するために、水回り機器の展示をするショールームを3店舗構えている。特に充実した店舗には、キッチンが10台以上、ユニットバスが4~5台、トイレが15台もあり、比較が可能。またガス給湯器、コンロだけを多数展示した専門店が2店舗もある。
リフォームのショールームは3店舗構え、4店舗目オープン予定
「外壁専門店は知多半島内で既にいくつか展開しており、そこは狙っていません。水回りもライバルはいますが、狭い地域に複数店あるのでとにかく速い対応ができ、差別化が可能です。ガス給湯器専門店は午前中いただいたお電話には即日伺えます。年間売上は給湯器専門店が2億円、リフォームは平均単価約80万円前後で8億円です。リフォームは毎年約1億円ずつ伸びている」と後藤社長。
また家や土地の売買について相談できる店舗を増やしてほしいという地域住民の声に応じ、フランチャイズ「ハウスドゥ」に加盟した。5店舗で新築や中古物件の売買を提供し、年間8億~9億円の売り上げを誇る。

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