昨今、家庭の光熱費削減を目的にした省エネ力の高い給湯機器が導入されている。なかでも注目度が高い「エネファーム」「エコキュート」「ハイブリッド給湯機」について知ろう。
クローズアップ建材 給湯機器の新常識
住宅の省エネ化推進を目的に、経済産業省・国土交通省・環境省の3省連携により行われる「住宅省エネ2023キャンペーン」の一環として「給湯省エネ事業」がはじまった。同事業は、新たに導入する高効率給湯器の購入に応じて一定額を補助するもので、家庭用燃料電池(エネファーム)では1台あたり15万円、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)と電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機)は同5万円を上限に補助する。原則、事前登録を行った契約事業者が申請するものだが、補助金の対象となる3種類の給湯システムの違いを踏まえる必要がある。
いずれも省エネ力が高いものだが、大きく分けてエネルギー源が「ガス」と「電気」で異なる。また、エネファームは他の2つに比べて機器設置費用が高額なことや、それぞれの年間光熱費も変わることから、予算やライフスタイルに合った賢い選択をしたいところだ。
- 熱源併用で湯切れ心配いらず
- ハイブリッド給湯機
- ヒートポンプ給湯機とガス温水機器(エコジョーズ)を組み合わせたもの。電気を使用するヒートポンプで沸かした湯がなくなった場合、ガスを使用するエコジョーズで素早く湯を沸かす仕組み。ふたつの熱源を効率的に用いることで、高効率な給湯が可能。状況に応じて無駄なく湯を沸かせるため、家計と環境の両方への配慮を実現する。また、急に湯の使用量が増えても対応しやすいため、どのような場面でも快適に給湯できる。
- 非常時にも安心の給湯システム
- エコキュート
- 「ヒートポンプ」と「貯湯タンク」の2つで構成され、割安な夜間電力や太陽光で発電した電力を有効活用する。冷媒の圧縮・膨張サイクルにより湯をつくって貯湯タンクに蓄えているので、断水時にも備え付けの非常用水栓から湯が使用可能。効率良く湯を沸かすために省エネで、ガス式に比べてランニングコストが抑えられる。少量の電力と空気の熱を使って湯をつくりタンクに貯めるため、火災の恐れがなく安心だ。
- ガスから生まれる自家発電
- エネファーム
画像提供:経済産業省 資源エネルギー庁
©2022 給湯省エネ事業事務局- 都市ガスやLPガスなどから水素を作り、その水素と空気中の酸素の化学反応により発電する仕組み。エネルギーを燃やさずに直接利用するため、高い発電効率が得られる。また、発電の際に発生する排熱を回収して給湯器としての役割も果たす。つくられた電気は照明やテレビなどに、排熱で沸かした湯はキッチンやお風呂などの給湯に利用される。また、床暖房や浴室暖房などにも接続することが可能。

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