石油元売り大手のJX日鉱日石エネルギー(東京都千代田区)が進めている既存住宅の省エネ性能などを診断する「ENEOSエネルギー診断サービス Dr.おうちのエネルギー」の診断士が500名を超えた。今年度中に1,000名体制にする。診断後のエコリフォーム提案を積極推進していく考えだ。
「ENEOSエネルギー診断サービス Dr.おうちのエネルギー」は昨年6月に開始以来、診断件数が2,000件を超えた。「今後は診断数をさらに増やしていくために、診断士の増員を図っていきます」(グループマネージャー畑山英一氏)
同サービスは、既存住宅の省エネ性・断熱性を診断し、リフォームなどの改善提案を行うもの。同社の特約店である燃料店などが既存顧客や地域住民に対して無料で提供している。同社では近年太陽光発電システムやエネファームなどの販売に注力しており、診断を契機に提案していくモデルを推進している。
診断項目は60種。テーマは大きく分けて3つあり、1つは給湯器や冷蔵庫、照明、エアコンといった機器類の状態、2つ目は窓や壁などの断熱性能、3つ目は生活する中で省エネにつながる行動をしているかどうか。
診断士はタブレット端末を用いて結果を入力して12ページ程のリポートにまとめる。後に診断対象となった住宅の光熱費やCO2排出量などが、一般的な住宅と比べてどれだけの違いがあるかなどを数値で示す。
診断後のリポートはビジュアルで分かりやすくまとめられる
例えば窓を単板ガラスから複層ガラスに変えた場合、年間でいくら光熱費が下がるかについて、シミュレーションした金額が示される。
その他にも、シャワーを流しっぱなしにし続けてしまう、といった省エネに貢献する行動が取れていない場合、年間でどれだけ無駄な費用がかかっているかも分かり、省エネ意識を高めることにもつながるようにできている。
現在、建材メーカーLIXILとの提携を検討しており、「インプラス」などの2重窓や、節水型トイレ、ユニットバスなどの提案ができる体制を整えていくと見られる。

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