大手ハウスメーカーの2010年度リフォーム売上実績が出揃った。住友不動産グループは1000億円を突破するなど調査した9社すべてが増収を達成。エコポイントなどの助成金による後押しもあるが、新築着工の低迷から人員をリフォーム部門へ投入するなど、各社ともストックビジネスに本腰を入れた結果が出始めているようだ。
【決算発表】ハウスメーカーリフォーム売上一覧
住友不動産G、売上1000億円突破
業界トップを走る住友不動産グループは「新築そっくりさん」と住友不動産リフォームの売上を合わせると前年比約3%増の1011億円。そっくりさん単体は震災の影響があったにもかかわらず、売上計上棟数は7258棟で過去最高を達成し3%の増収。「営業所の拡充や人材を増やしたことが増収要因」(広報)。今期の新たな戦略としては単価アップを図るためにマンションリフォームの定価制商品の高グレード版「エッセンス」を2011年5月21日から売り出した。
積水化学工業のリフォーム、セキスイファミエスは13%増。40名の増員、既存顧客への太陽光発電の販売が増収要因。今期もさらに70名を増員し更なる拡大を図る。
積水ハウス、他社物件売上が2倍超に
積水ハウスグループはOB向けの積水ハウスリフォームと他社住宅の営業を行う積和建設、OB向けのカスタマーズサポート事業をあわせると705億円の売上で、前年比2割増の伸びを見せている。同社では賃貸リフォームも行っており、215億円の売り上げ。すべてあわせると約920億円。同社の賃貸を含む総ストックは200万を超え、この既存顧客への提案と他社住宅の開拓を両輪で進め、今期は1000億円の突破、そして、2年後には1200億円の売上を計画し全社的に取り組んでいる。
大和ハウス工業は賃貸リフォームをより強化したことで前年比3割増との大幅な増収を達成。今期は他社住宅への提案を強化していくという。ミサワホームグループでは、5%の増収。エコポイントと絡めた省エネリフォーム提案や全国各地で随時相談会を開催した販促効果が増収要因。定価制マンションリフォームの新商品「マルムコンフォート」を投入するなど今期の新規顧客開拓、単価アップへの布石も既に打っておりこれらの拡販と共に、既存のOBフォローも強化していく。
住友林業、OB向け受注数が3割増
住友林業ホームテックは11%増。これまで他社住宅を重視した営業を行っていたが前期は既存顧客のフォローを行う専門部署を設置し囲い込みを行った。これによりOB向け受注数が3割増。旭化成リフォームは太陽光発電の販売強化などで4%増。パナホームグループでは昨年より開始した「家まるごと大変身」という大型リフォーム受注を狙った販促活動が功を奏し500万円以上の大型工事が3割増加し8%の増収。三井ホームグループはグループの三井ホームリモデリングが一般新規のみに絞った営業を行ったところ売上が拡大し6%の増収となった。
各社ともストック重視の傾向はより強まりそうだ。
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