旭化成ホームズ(東京都新宿区)は2014年1月21日、都内にて「くらしノベーションフォーラム」を開催した。このイベントは住環境や暮らしについての研究成果をメディア向けに披露するもの。今回で12回目。千葉大学の小林秀樹教授が講演した。
講演テーマは「ナワバリ学で家族と住まいを読み解く」。「ナワバリ学」とは動物の縄張りをヒントに人間行動を解明するもの。小林氏は居間と個室に分かれる間取りを持つ現代的な住宅について「子供が過ごす個室があるものの、家全体は母親のナワバリ」と話した。
同氏による調査では、現代の子供部屋は14歳頃まで母親が家具の配置を決めたり、掃除をしたりする管理下にあることがわかっており、これが母親のナワバリと指摘する理由。しかし、子供がさらに成長し自立していくと自分の部屋を子供自身が管理しだし、自らナワバリとしていくと分析している。
「封建社会時代には個室がなく、家は年長の男性のナワバリでした。しかし、現在はこれが母主導に変化しています」と話す。
ただし一方で、自分の部屋も居間も自分のナワバリではないという「分離傾向」の中高生が3割ほどいると指摘。
「これらを改善するために最近は居間中心型住宅が急増しています。居間を通って個室に行くような間取りや、居間に大きなテーブルをおいて、そこで一緒に勉強したり居場所を作る工夫がある住宅です」(同氏)。なお父親の管理下であるナワバリは、庭や浴室などに多いという。

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