住宅や施設の多くは、自力で生活ができる人向けに作られている。そのため、ひとたび障害などをかかえると、目の前に立ちはだかる「バリア」があちこちに現れる。その一方で、すべての人が困難を感じず暮らせるように、バリアフリー性能をしっかりと考慮して製作された建材も数多い。それらについて知ることで、無意識の「当たり前」を見直す機会にもしたい。
クローズアップ建材 バリアフリー建材
高齢者や障害者をはじめ、だれもが安全かつ円滑に暮らせる「バリアフリー」の代表的なものには、スロープや段差解消、幅の広い改札や通路、センサータイプの蛇口などがある。大きな文字やピクトグラムなど、誰が見てもわかる標識の設置や、手や目の高さに合わせたボタン設置などに代表される「ユニバーサルデザイン」には、誰もが暮らしやすい共生社会の象徴への思いが込められている。
福祉や共生とは「すべての人が生きやすい」ということ。たとえば、非接触型の開閉や手洗いは、コロナ禍により接触に敏感な人に安心感を与えるし、家庭内エレベーターの設置は、ライフスタイルの多様化で主婦の家事負担や乳幼児の移動負担も軽減することになる。つまり、障害の有無や加齢といった要因に限らず、すべての人の状況変化を受けとめるデザインや機能性を包括する建材こそが、バリアフリーを実践しているといえるのではないだろうか。
- 電気を使わない自動ドア
- miimo(ミーモ)[水野アルミ]
- 乗る人の体重で自然に開閉する仕組みを採用。人がいる間はドアが閉じないようになっているため、安全かつ環境に優しく、コストパフォーマンスが抜群。SDGsにも適合しユニバーサルデザインでもあり、ニューノーマル時代に最適だ。

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