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【クローズアップ建材・畳の基礎知識】天然の風合いと利便性を両立

【クローズアップ建材・畳の基礎知識】天然の風合いと利便性を両立

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古来から、日本人の生活様式には欠かせない存在である「畳」。昨今の住宅では見かけないことも多くなったが、樹脂素材や、インテリア性の高いものも開発され、現代人の求めるニーズに適応することで存在感を発揮している。そうした最近のトレンドをまじえつつ、畳についておさらいしたい。

クローズアップ建材 畳の基礎知識

畳は日本で発達した床材で、平安時代に貴族の屋敷で板の間で敷物として用いられていた。その後、庶民の間にも広まったのは江戸時代だといわれている。現在、国内で流通する植物由来のイグサを使った畳表は熊本県産がほとんどで、日本の風土に根づき続けてきた固有の文化といってもよい。ソファやベッドを用いる西洋風の生活スタイルが浸透しても畳がなくならないのは、日本人にとってその心地良さが特別な感覚として刻まれているからだろう。

一口に畳といっても、地域や用途により大きさの異なる数種類が存在する。「京間」(縦横191cm×95.5cm)は京都や関西地方以西で用いられ、本間(ほんま)などとも呼ばれる。「江戸間」(同176cm×88cm)は関東間(かんとうま)とも呼ばれ、全国的な標準規格として関東地方以北を中心に用いられている。「団地間」(同170cm×85cm)は、おもに公団住宅、アパート、マンションなどで用いられている。

近年では、イグサを使わないプラ素材の畳表も開発されて多く流通している。天然の無機材料をベースとするため、燃えてもダイオキシンなど有害物質が発生せず、環境にも配慮。イグサの風合いや肌ざわりをしっかりと保ちながら、耐久性や安全性、カラーバリエーションも豊富でニーズが高い。表面には無数の微小な呼吸孔があり湿気にも強く、防水性が高いため掃除がしやすく、劣化もしにくい。

西洋文化の流入以降、日本でも洋室が主流になったことで和室がない住宅は珍しくなくなっている。しかし、はじめに述べたように、畳のもつ感触や風合いは落ち着き、温かく心地よい感覚をもつ人は多い。乳幼児のおむつ替えや寝そべりにも優しいといったメリットに加えて、抗ウイルス・抗菌素材の商品も開発されており健康面での安心感もある。

従来畳の形状にとらわれない正方形型やヘリなしのものも人気で、リビングの一角に「置き畳」や「リノベーション畳」に配して、これまでの和室とは一味違うインテリア性の高い空間づくりもされている。

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耐久性に優れるポリプロピレンと、無機材料の微妙な配合バランスによって誕生。天然イグサに比べ色あせしにくく丈夫で、水拭きも可能。各シリーズとも豊富な柄とカラーバリエーションで、洗練されたインテリアコーディネートを演出する。

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