屋根、外壁工事を行っている吉光工業(福井県福井市)が販売する越前瓦でつくった壁面装飾瓦が「Woven Ceramic Echizen(ウーブンセラミック越前)」だ。
長さ293mm×幅60mmに成形した瓦を、縦横交互に間をすかして組むことで、フェンスのようにほどよく視線を遮りながら、瓦と瓦の間から光と風を取り入れる。
植栽にも合う瓦の目隠し
施工方法は、150角のワイヤーメッシュなどの専用副資材を使用し、瓦を下段から縦横交互に固定していく。重さは平米あたり約40kg。瓦の厚みを薄くしたことで、軽量化につながり、高さ3メートルまでの設置を可能にした。施工をマニュアル化したことで大工や外構職人など、幅広い職人が施工できるようにした。
開発は、小笠原弘建築計画(福井県福井市)、福井県瓦工業協同組合(福井県福井市)、越前セラミカ(福井県越前市)、同社がプロジェクトチームを組み進行。「越前瓦と、地場産業である繊維業を掛け合わせた新しい建材をつくりたい」という思いから4社が集まった。製品名にもなっている「Woven」は織るという意味で、アーチ形状の越前瓦を交互に組んでいくことで、織物の織り目を表現している。
色は、銀鼠(ぎんねず)と窯変の2色展開。銀鼠は、鉄分を含む粘土と、鉄分を含む釉薬をかけ焼成を行い、独特の色合いをもつ。
越前瓦は凍害に強く耐久性があるため、全国で設置可。メンテナンス不要で価格は10万8000円~/平米となる。
吉田知志社長は、「1枚1枚焼き物特有の、自然な風合いです。伝統をまとうことができる、今までにない目隠しです」と語る。
吉田知志社長

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