畳の販売をメーンに年間約60億円を売り上げる業界トップシェアのTTNコーポレーション(兵庫県伊丹市)は、紙パルプ製の人工い草の導入を開始する。

天然い草よりも耐久性に優れた「こより」
年間約60万畳分提供するうち、初年度は3割を、2年後にはほぼすべてを人工い草に切り替える方針だ。使用する畳表は同社が紙パルプ製造メーカーと共同開発したもので、今後は紙パルプ畳表のみの販売も視野に入れている。
新たな畳表を同社では「こより」と名付け、「第3の畳表」として打ち出している。天然い草、和紙や樹脂の人工い草に代わる新たな畳という思いを込めた。これまでの人工畳は価格が天然より高い傾向にあったが、新たな畳表は天然と同価格帯で提供する。
天然い草特有の匂いや肌触りはないが、見た目は天然に近く、耐久性や防水性は天然より高い。染色も可能で、まずは畳色のみ販売するが、今度はカラー畳の販売も検討しているという。
法人事業部総責任者の中谷謙介氏は「導入の理由は天然い草の値段の高騰。国内産より安い中国産でも、この10年で仕入れ価格は300%になっている。今後は天然い草のみの提供は難しくなる」と話す。
同社は生産工場を関西に5拠点、関東に5拠点構える。これまでは工場の新規開設で営業エリアを拡大してきたが、今年から地域の畳業者と提携し、生産を依託する体制を整えている。

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