金属サイディング、トップシェアの実績を持つアイジー工業(山形県東根市)。寒河江工場はその製造のすべてを担う基幹工場となる。110人の従業員が働く約2万平米の巨大工場を訪れた。
土地面積は6.3万平米
山形県寒河江市。山形県内では東根市と並ぶさくらんぼの産地にアイジー工業の寒河江工場(画像1)はある。さくらんぼ畑に挟まれた道を抜けた先に面積約6万3000平米の土地に、間口90m×奥行き250mの巨大な建屋が現れる。同工場は、1996年創業。元々、金属サイディング製造は本社のある東根工場が行っていたが、手狭になったことから、金属サイディングのすべてを担う工場として新設された。

【画像1】約2万㎡の建屋の広さを誇る寒河江工場
寒河江工場の生産能力は1日8500坪。全6ライン、ピーク時には月20万坪超を出荷する。
工場内に入るとまず目に入るのが巨大な在庫ストック場(画像2)。約4万5000坪の完成品が所狭しと並んでいる。製品はここから、北海道、新潟、埼玉、岐阜、京都、福岡の6つの物流倉庫に運ばれ、各地域に出荷されていく。(工場からの直出荷分もあり)

【画像2】在庫ストック場。ここから直接発送される製品もある
ストック場の先に入ると、製品を作る6つのラインがお目見えする。ラインにはS1からS6と表示され、それぞれ作っている商品が異なる。例えばS1は主力商品のガルスパンNEO‐Jフッ素。S2はガルバロックiシリーズとガルフィーユiシリーズといった具合だ。
4、5分で製品が完成

金属サイディング製造工程
各ラインは約120mの長さがあり、幅500mmほどのロール状のカラー鋼板(画像3)が4、5分で製品に変わる。実際の工程を見てみよう。

【画像3】ライン入口に並ぶ大量のカラー鋼板
ロール状のカラー鋼板、これからラインにセットされる
最初ロール状の鋼板は回転するアンコイラーと呼ばれる装置に設置される。くるくると回った先にはローラーが用意され、まっすぐに引き延ばされる。その後通るのはロール成形機。複数のローラーで金属に徐々に溝が付けられ、金属サイディングの表面模様が出来上がる(画像4)。

【画像4】複数のローラーで模様を形成
ローラーで模様がつけられた後の様子。複数のローラーで徐々に凹凸がつけられる
続いて現れるのが発泡機。金属の裏側に発泡性の断熱材を流し、アルミ箔と不燃紙でできたライナー紙でサンド。プレスすると約30倍まで発泡した断熱材が製品内部に行き渡る仕組みだ。養生炉(画像5)を通った後には、断熱材の粘着効果で、サイディングとライナー紙がぴったりと密着。

【画像5】養生炉を通る間に断熱材が硬化
養生炉を通るとほぼ、製品は完成状態となる
そして、必要な長さにカット(画像6)後に、自動梱包、結束され、完成(画像7)となる。最終工程である自動梱包、結束機は、製品に合わせ開発された、オリジナルの機械。最大8mほどある長尺のサイディングに合わせ、段ボール作成から箱詰め、テープ止めまでをすべてオートメーションで実施する。手作業の数倍のスピードで次々と梱包が行われる様は、見ているだけで楽しくなる。

【画像6】一瞬で予定の長さにカット
走行切断機で次々に必要な長さにカットされる

【画像7】台車に乗せる作業も自動化
積荷作業も自動化。吸盤で製品を吸い付け、台車に運ばれる

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