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アスベスト飛散防止の新工法、屋根を壊さず再生トヨコー

アスベスト飛散防止の新工法、屋根を壊さず再生 トヨコー

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 アスベストを含む古いスレート屋根を安全、しかも低コストで蘇らせる新工法「蘇生」が注目を集めている。開発したのは防水、塗床事業等を営むトヨコー(静岡県富士市)。工法完成から約8年。年々引合い数は増加しており、施工平米数は工場を中心に40万平米を突破した。

屋根に3層の樹脂を吹き付け
屋根に3層の樹脂を吹き付け

3層構造で低コスト・短工期に

 アスベストの健康被害が社会問題化してから早10年。いま問題視されているのは、アスベストが含まれる古いスレート屋根の処理。築30年を超える建築物が既に改修時期を迎えるが、コストや工期の問題でなかなか処理が進まない状況にある。

 その問題解決に取り組んだのがトヨコーの豊澤弘康会長だ。葺き替えが困難な中、カバー工法の採用率が高いが、カバー工法は重みによる躯体への負担が大きい。「カバー工法でかかる平米単価1万2000~3000円の半分で施工できる工法ができればニーズがあるだろう」との発想のもと、2006年に「蘇生」は完成した。

 同工法は、既存の屋根に、3層の樹脂を吹き付けることで、防水・断熱・補強を実現する。1層目は特殊ポリウレタンフォーム。厚みに応じた断熱効果を発揮、素地と2層目の接着剤の役割も果たす。

 2層目は、特殊ポリウレタン樹脂。防水と補強の効果を持つ。最後のトップコートは細かい石が入ったアクリル水系塗料。下2層の紫外線による劣化を防ぐと共に、耐火効果も保有する。 施工はスプレーの吹き付けで行うが3層の施工を同じ日に行えることも大きな特徴。1、2層は吹き付け後10秒ほどで硬化するため、300~400平米ほどであれば、夏場は1日で工事が終了する。

 「特殊ポリウレタンフォームの厚みで変わりますが、屋根温度を15度以上下げられます」と豊澤会長。モデルケースでは、同工法の施工後、屋根温度低下により工場の室温を8.3度下げられた。今は工場屋根での採用が中心だが、マンションの防水工事、住宅など活用用途は広い。

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