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憧れをすべて叶える洗面空間をデザイン性×機能性×施工性

憧れをすべて叶える洗面空間を デザイン性×機能性×施工性

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TOTO (福岡県北九州市)は8月にシステムドレッサー「ESCUA(エスクア)」発売以来初のフルモデルチェンジを行った。

新しい「エスクア」は、デザインや機能面だけでなく施工性にもこだわりを貫いた。「エスクア」の魅力と開発秘話について、エスクア 企画・開発テーマリーダーの佃 光史氏に話を聞いた。

TOTO こだわりのパーツを組み合わせて、空間にも自分にもフィットするシステムドレッサー「エスクア」。水栓金具や洗面ボウルにはブラックアイテムも品揃えこだわりのパーツを組み合わせて、空間にも自分にもフィットするシステムドレッサー「エスクア」。
水栓金具や洗面ボウルにブラックアイテムを品揃え

「施工性とデザイン性」両立の軌跡

「エスクア」は、ホテルのような洗面化粧台を自宅に設置したいという憧れをセミオーダー感覚でライフスタイルやこだわりに合わせて実現できるシステムドレッサーとして、2017年6月に発売を開始した。デザイン性は以前から評価が高かったが、造作洗面市場の伸びが顕著となったことを受けて商品企画を開始。TOTOならではのものづくりに対する思いを盛り込んだ開発が進められた。

佃氏は「高級洗面市場ではお客様のこだわり志向が強くメーカー品より造作洗面台を好んで選ばれることがわかっていました。一方でデザインや機能性でお客様に気に入っていただけても、施工業者様にとって扱いにくい製品だと意味がありません。まずはフルモデルチェンジにあたって何が必要か把握するため、造作洗面台を多く扱っている設計事務所や業者様へヒアリングを実施しました」と語る。

ヒアリングを重ねていくとインテリア性のこだわりの背景に施主は洗面空間に対して居心地の良さを求めていること、アイテムを選定するにあたり、キャビネットや鏡からではなく洗面ボウルや水栓から選定することなど、新商品開発へ繋がる気づきを得ていった。

そして、試行錯誤の末に誕生したのが「ウォール水栓(ホース付き)」だ。

「才色兼備」のウォール水栓が生まれるまで

スパウトが直接壁に設置される壁付水栓は、造作洗面台でも近年顕著に採用が増えており、佃氏は「何としても搭載しようと試作を繰り返しました。お客様は、壁から細い管が伸びて先端が曲がっている、すっきりした形状を求められています。ホテルにあるような洗面空間にしたいというご要望に応えるべく、見た目や形の美しさにこだわり抜き、強い意志を持って開発しました」と開発当時を振り返る。

さらに見た目の美しさに加えて、壁付水栓でありながらプルアウト(引き出し)構造も実現した。花瓶やバケツなどの水入れのしやすさはもちろん、ボウルに残った泡などをさっと洗い流すことも簡単だ。壁付きなのにプルアウトができるというデザイン性と機能性を両立させる発想はメーカーならではであろう。

TOTO ウォール水栓は吐水口を引き出して使用できるウォール水栓は吐水口を引き出して使用できる

壁前施工を可能にする壁付水栓を

壁付水栓といえば、壁中への水栓埋設工事が一般的となる。そのため、周辺の補強など施工面での難易度の高さから施工業者を悩ませていた。さらに、工期も長くなり費用もかさむため、施主が断念せざるを得ないケースも多かった。佃氏は「だからこそ、長年商品開発を続けてきたメーカーの強みで、施工業者様のストレスを軽減し採用を後押ししてもらえるような施工性の良い商品を目指しました。ヒアリングした設計事務所様に実物を見せたら、『これは業界が驚くのでは』と言っていただけて、大きな達成感を感じています」と手ごたえを語る。

壁裏への水栓の埋め込みが不要なので、一般的な壁付け水栓よりも設置の手間を軽減できる壁裏への水栓の埋め込みが不要なので、一般的な壁付水栓よりも設置の手間を軽減できる

具体的には、施工面での大きな負担になっていた給水管埋設など「壁裏の配管工事」を廃し、壁前施工で完結できるようにした。壁前からネジ固定で保持できるよう、構造体より前面にバックパネルを設置。狭間にプルアウト機構部とホースの可動領域を収めた。止水栓も壁に埋め込む必要がなく、カウンター面設置の水栓と同程度の施工性にこだわった。

また、これまでタッチレス機能を内蔵する水栓は選択肢が少なかったが、センサーを水栓本体から取り除き、洗面化粧台本体側にセンサーを設けることでデザインの自由度を広げたのだ。

「商品開発において、お客様におすすめしやすい商品をつくることが造作品への対抗手段であると思っています。そのため、特に施工業者様に対しての施工性や取り扱いやすさをこだわり抜いた結果がこの新しいエスクアには詰まっています」(佃氏)

「センシングシステム」に込めた細やかな気遣い

今回のフルモデルチェンジでは、新たに水栓と照明に「センシングシステム※1」が搭載された。

照明は自動点灯・消灯機能のほか、調光・調色は時間帯と連動し以下3つのモードに自動で切り替わる。

朝帯の「リフレッシュモード」は目覚め効果のある昼白色かつ照度は100%。夕方以降気持ちがオフに切り替わる「リラックスモード」は暖色系の柔らかい光で安息や入眠準備に最適な色温度に設定されている。さらに「深夜モード」は、入眠後にトイレなどで立ち寄る際に手元だけを照らすのに必要な照度で、人の心身サイクルに寄り添った。

佃氏は「手動で都度照明の色や明るさを調整するのは手間ですが、センシングシステムを活用することで、逐一操作しなくて良いのが大きいですね」と自信を見せる。

また、タッチレス吐水に加え、排水口をきれいに保つ「きれい除菌水※2」も搭載している。

TOTO TOTO独自開発のマイクロ波センサーで人の動きを検知し自動点灯自動消灯し、さらに時間帯に応じて照明を3つのモードに自動で切り替えることが可能マイクロ波センサーで人の動きを検知し自動点灯自動消灯し、さらに時間帯に応じて照明を3つのモードに自動で切り替えることが可能

洗練と安らぎを生み出す機微の演出

カウンターには新色8色が加わったが、なかでも「大柄石目調」は、ホテルの洗面を思い描く施主にとっては親しみのある洗練されたデザイン。木目調は、キャビネット側のそれと一体感のある家具のしつらえを実現させるべく、高級感や品位ある色調や木目の入り方を意識して選定を行なった。裏面を加飾して柄のデザインを柔らかく浮かび上がらせるクリスタルカウンター(柄入り)の新柄「カラカッタカロレ」について、「大柄石目と、TOTOの強みであるクリスタルカウンターを掛け合わせた商材で、TOTO独自の存在感としてアピールしています」(佃氏)。

加えて、今回はじめて水栓や洗面ボウルまで全てが黒で構成できるよう品揃えを拡充し、オールブラックのコーディネートが可能になった。一口に黒といっても、金属で構成される水栓は光沢感のあるブラッシュドブラック、陶器は質感をしっかり生かしたブラックというように、「適切な黒づかい」の仕様を丁寧に突き詰めた。佃氏は「造作を選ばれるお客様は素材感のよさを大切にされていて、それらの組み合わせを楽しんでいらっしゃいます。それぞれの特徴が出せる黒を表現することで、より質の良いものにつなげたいとの思いからでした」と話す。

バックパネルの表面には柄に合った凹凸感をもたせたことで、間接照明との掛け合わせによって生まれる陰影や素材感、上質感を醸し出した。「パネルの品揃えも、照明と壁をより効果的に演出してくれるかを重視しました。水栓だけが良くても、パネルがいまひとつでは選ばれません。そこもこだわり抜いてデザインしています」(佃氏)

フルモデルチェンジしたエスクアの魅力を語ってきた佃氏が、最後にこう結んだ。「デザインや機能面、施工面はもちろん、アフターメンテナンス、品質面での安心感を提供できるのがTOTOの強みだと考えています。お客様には、洗面空間の使い心地と居心地の良さによる充実した日々の一助になると自信を持って提案できます。そして、業者様にとっても扱いやすく不安が少ない商品として開発しましたので、快適な空間づくりの洗面化粧台として、ぜひ新たなエスクアをご検討いただきたいですね」

TOTO エスクア 企画・開発テーマリーダーの佃 光史氏エスクア 企画・開発テーマリーダーの佃 光史氏

問い合わせ先

TOTO ロゴTOTO(福岡県北九州市)
お客様相談室 0120-03-1010

会社紹介

1917年創立。「水まわりを中心とした豊かで快適な生活文化の創造」という理念のもと、水まわり住宅総合機器メーカーとして新しい商品を生み出し続けてきた100年企業です。 システムキッチン、浴室、洗面化粧台、レストルーム(トイレ)など、さまざまな商品で暮らしを豊かに彩ります。

「ESCUA(エスクア)」商品サイトTOTO エスクア商品サイトQRコード

※1 部材の組み合わせにより、センシングシステムの搭載に制約があります。詳しくはエスクアカタログ【組み合わせ条件】をご覧ください。

※2 きれい除菌水は、汚れを抑制するもので清掃不要になるものではありません。除菌の効果は、試験機関による試験結果であり、実使用での実証結果ではありません。すべての菌を除菌できるわけではありません。

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