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パロマとパーパス「温守」を共同開発《ガス式浴室暖房乾燥機》

パロマとパーパス「温守」を共同開発 《ガス式浴室暖房乾燥機》

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"うちに付けたくなるデザイン"で普及を目指す

 ガス式浴室暖房乾燥機は冬期の暖房、雨の日の洗濯物乾燥や風呂上がりの換気等、一年を通してパワフルに活躍する。特に、冬のヒートショック事故の対策には有効な手段だ。さらに最近は機能の充実に加え、デザイン等に優れた商品も出てきた。

入浴中の心肺機能停止者数

浴室まわりの環境整備が急務

 日本のヒートショック関連死者数は、年間約1万7000人にも上る。これは年々減少する交通事故死、約4100人の4倍以上。

 冬の入浴時は暖房の効いた居間から寒い風呂場へ移動するため、熱を奪われまいと血管が縮み、血圧が一気に上がる。しかし、ひとたび熱い湯につかれば血管が広がって血圧は下がる。その温まった体で冷えた脱衣所に戻ると、再び血管が収縮、血圧は大きく上昇する。

 こうした"急激な温度変化による血圧の急変動"は心臓に大きな負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める(左グラフ参照)。特に日本は"湯につかって温まる文化"のため、浴室での死亡者数は他国に比べても極めて高い。

 そのような住まいの温度差を解消するためには、浴室や脱衣所の暖房は欠かせない。

シンプルな本体(左上)とぶらさがリモコン(左下)で操作性もアップ
シンプルな本体(左上)とぶらさがリモコン(左下)で操作性もアップ

多方面から生活の質の向上に貢献

 パロマ(本社・愛知県名古屋市)とパーパス(本社・静岡県富士市)は、浴室暖房乾燥機「温守(ぬくもり)」を4月から販売している。両社は共有する問題解決のため、ライバル企業の垣根を越え一昨年から共同開発を続けてきた。

 「安心安全を目指すガス業界として、商品をご提供する浴室内で命を奪うヒートショック問題を放置することはできないという強い思いがありました。また浴室乾燥暖房機に対しては"浴室に圧迫感のある大きな機器を加えたくない"という声や、設置されても"使い勝手が悪く使用しなくなった"という話もお聞きしていました」(パロマ販売部営業企画室温水グループ 安藤直広マネージャー)

 今回の「温守」は"うちのお風呂に付けたくなるデザイン"がコンセプト。機器の上面、サイドの角部分をやさしいアール曲線でそぎ、実寸よりコンパクトな印象。どんな場所でも調和しやすくなった。清掃面では、内部のフィルターを2枚に分けて業界最小サイズにした。簡単に引き出せて、シンク等でも洗いやすくなった。

 前面中央に設けられた表示ランプは、運転状況をカラーで示すため誤操作を防げる。「ぶらさがリモコン」は壁のフックに直接掛けて使うため、ホルダーからの着脱時にリモコンを落とすという心配がない。形状もスリムになり、女性でも片手で操作しやすくなった。

 さらに最近は共働き家庭が増加し、また花粉やPM2.5の問題もあり、室内で衛生的に洗濯物を乾燥させたいという声は増えている。「温守」の洗濯物乾燥はスタンダードタイプでセンサーが湿度の状態を感知し、乾燥、停止まで行う「おまかせドライ」を搭載。洗濯物の量や湿度変化で設定時間を変更する煩わしさがなくなった。

 「『温守』は季節を問わず、毎日の生活の質の向上に大きく貢献できるアイテム。さらに、昔購入したが扱いが不便で使わなくなってしまったというご家庭にも、快適性・操作性・清掃性等の進化を改めて感じていただけると思います」(安藤マネージャー)

 浴室暖房乾燥機が一大ブームとなった十数年前から、多くが交換時期を迎えている。ガス業界を盛り上げていきたいと、2社で創意工夫を凝らした新商品に注目だ。

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