9月15日、16日、リフォーム産業新聞社主催のプロ向けイベント「リフォーム産業フェア2021」がパシフィコ横浜で開催された。23回目を迎えた今年は178社が出展。295小間の展示があった。リフォーム会社がコロナ禍を乗り切るための商材やITサービスが数々登場した。賃貸住宅フェアと不動産ソリューションフェアと合わせ、2日間で8447人が訪れた。入場者全員に検温、消毒をするなど徹底した感染対策を実施。盛況に終わったイベントをリポートする。
【リポート/編集部 後藤梓】
2日間で8447人が来場
入場時には消毒・検温が必需
施工管理アプリ比較しながら回る人も
来場者が特に注目したのはリフォームの施工管理アプリだ。会場には8社も出展。スマホでリフォーム現場の状況を共有できる便利さが人気で、導入企業が増加中。「ANDPAD」や「ダンドリワーク」のほか、新しいサービスも登場。「SITE」もその1つで、今回初出展だ。アプリではチャット・案件管理・スケジュール管理の3つができる。
「SITE」のイメージ図に足を止める人も
同アプリを手掛けるCONIT(東京都文京区)の倉持佳典CEOは「たくさん機能があると便利ですが、難しそうと導入前に躊躇する方も多い。慣れていなくてもまず使ってみたいと思っていただけるよう、シンプルさを追求しています」と話す。
また図面や写真を共有しながら、音声やビデオ通話も可能。チャット以外でもコミュニケーションがとれる。職人は100人まで無料だ。ブースには管理者と職人がアプリで繋がるイメージ図を大々的に掲載した。
ほかにもグローバ(東京都渋谷区)の「クラフタ」や、テラDXソリューションズ(東京都新宿区)の「テラ施工管理」も無料で使える点が来場者を驚かせた。
「クラフタ」の説明を聞く来場者
リノベで表札も注目
今注目の「リノベーション」に最適な商品も勢ぞろいした。
「新築だけではなく、リノベする際にこだわった表札に取り替えたい方も増加しています」と話すのは表札メーカー福彫(福岡県春日市)営業企画部の山本憲史部長。注目を集めたのは びにくく高級感のあるチタン製の表札だ。また既存の表札の上にかぶせる「CAPOTTO(カポット)」も展示。
デザインにこだわった福彫の表札
また、フクビ化学工業(福井県福井市)の断熱材も関心を集めた。下地材と一体化した断熱リフォームパネル「フェノバボード®」を展示した。下地を壊さず施工できるので工期が短縮され、施主の負担も減るのが特徴だ。
【セミナーリポート】
リフォーム有力企業セミナー 30講座開催
セミナーの席は間隔を空けて配置し、感染対策に
「コロナ禍を生き抜くような、具体的なノウハウを聞きたい」と意気込む来場者が向かったのは70講座のセミナーだ。
リフォーム有力企業によるセミナーでは、課題をどう乗り越え会社を成長させたか、多くのサクセスストーリーが語られた。ガソリンやガス事業を手掛けていたイナセ(埼玉県北足立郡)の川田賢興社長は、リフォーム事業を本格化する上でさまざまな課題があったことを赤裸々に告白。職人育成や店舗展開により業績を伸ばした経緯を熱く語り、講演後拍手が鳴り響いた。
小さな商圏で成功している会社のセミナーも人気だった。i creation(岡山県笠岡市)のセミナーは、2万商圏で売上5.8億円を売り上げる販促方法として反響率の高いチラシを公開し、聴講者は釘付けとなった。
また専門店ビジネスも注目を集めた。CONY JAPAN(大阪府大阪市)は水回りリフォーム専門店の9店舗展開を解説した。オノヤ(福島県須賀川市)の小野浩喜社長は、事業部ごとの店舗形態だけではなく、顧客ターゲットや人員体制の詳細を話し、聴講者は真剣に聞き入った。
経営セミナー全30講座は9月30日より動画視聴できるサービスの発売を開始した。
★リフォーム産業フェア21経営セミナー動画視聴サービス★
https://pd.reform-online.jp/bars21seminar
宅配ボックス戸建てにも
特別コーナーの1つ「NewNormalリフォーム展」では、生活様式の変化により今後定着しそうな商品が並んだ。特に品数が多かったのは、コロナ禍では通販需要が伸び注目されている宅配ボックス。河村電器販売(愛知県名古屋市)の宅配ボックス「RusuPo」もそう。坂敏広課長代理は「他製品との違いは、頑丈な造りです。防水・防 加工を施しており、風速40メートルにも耐えられます。弊社は電気設備の事業を展開しており、機器を収納する屋外キャビネットの技術を生かしました。集合住宅だけではなく、戸建て用も注目されています」と話す。
ネット通販の利用が増え宅配ボックスに注目も
ボタニカル調の空間を再現
一際目立ち、来場者の足を止めたのが「NewNormalな暮らし空間展示」だ。リビング、ダイニング、テレワークスペース、寝室の4部屋をインテリアコーディネーターの荒井詩万氏がプロデュースした。
ボタニカルな雰囲気が漂う「NewNormalな暮らし空間展示」
リビングには、オレンジ色を基調としたボタニカル柄の壁紙を大胆に貼った。ソファーには、水色、オレンジ、黄色といった「ビタミンカラー」のクッションでコーディネート。床は土足でも入れる朝日ウッドテック(大阪府大阪市)の「メッセージハード」を敷き、土間空間に。ダイニングは、草花がデザインされたフィル(大阪府大阪市)が展開している壁紙屋本舗の壁紙がアクセントになり、観葉植物も飾った。
荒井氏は「土間にかけて、コンセプトはイタリア語で明日やこれからを意味する『Domani(ドマーニ)』にしました。リフォームの提案時に、インテリアの重要性も感じていただける空間になったと思います。コロナ禍に家で過ごす時間が増えているからこそ、ワクワクする住まいを考えていただけたら」と話す。
クッションやソファーも置き、インテリアの重要性をアピール
リフォーム業界No.1パッティング決定戦開催
←17回連続に成功した玉木仁氏
主催者企画として「リフォーム業界No.1パッティング決定戦」を開催した。パットを入れた連続回数を競い合い、優勝者には賞金30万円を授与する。制したのは小泉機器工業(東京都府中市)の玉木仁氏で、17回を記録。
「気軽な気持ちで参加しましたが、思わぬ結果に驚いています。周りの方も盛り上がって下さり15回を超えたころから足が震えましたが、手は震えなくて良かったです」(玉木氏)
7月26、27日東京ビッグサイトで開催予定
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