リフォーム業界の実態を明らかにする企画。今回のテーマは「現場調査」の4回目。各社どのように現場調査を行っているのか、4社に調査した。
成約率9割に至る現調とは
3時間の滞在で独自性打ち出す
自家製の木工家具や漆喰、無垢材を使い、木のぬくもりが感じられるリノベーションを実現
木造住宅の新築を年間8棟ほど手がける持井工務店(千葉県船橋市・年商3億4000万円)。同社はOB客のアフターフォローを中心に、徐々にリフォーム事業を拡大し、現在は1000万円以上のリノベーションを年5棟受注。見積もり後の成約率は9割に上る。
そのために同社が重視するのは、現調時に自社のキャラクターを明確に打ち出すことだ。あえて便利なITツールなどを使わず、メジャーや方眼紙を使用するなど、昔ながらの測り方を行う。だが、何よりも大事なのは、時間をかけて顧客と会話を重ねること。所要時間は短くて3時間。その間、訴えるのは、同社がどのようなリフォームを得意とするか、だ。
例えば、新建材を使わず、漆喰や無垢材にこだわることを謳う。場合によっては、扉やフローリング材、家具などを自社で作ることを、その場で提案していく。換気扇を使わず、窓の位置を変えるなどして通気性を良くすることなども付け加える。決してモダンではないが、「むかし懐かしい、木のぬくもりのある落ち着きある空間を実現できそうだ」と、顧客は目を輝かせる。社員数18人のうち大工が9人。自社大工を雇っているからこそ、次々とこうしたアイデアを出し、具現化することができる。

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