THETAで写真の撮り忘れなしに
現場情報の振り返り確認に活躍
施工状況の共有や顧客への事例紹介などで役立てられている、360度の撮影カメラ「RICOH THETA(リコー シータ)」。活用事例の第二弾は、関東で店舗展開をしているリフォーム専門店のホームテック。お試し導入を行った多摩店、施工管理の山本駿太さん、営業の石川大弥さん、そして佐々木治泰店長に、活用事例を聞いた。
右から施工管理の山本駿太さん、営業の石川大弥さん、高橋久明社長、佐々木治泰店長
1枚撮影するだけで部屋全体をおさめられる
――まずは施工管理の山本さん、THETAの使用用途や良かった点を教えてください。
山本:THETAで撮影した360度画像は、職人さんや社外業者との進捗共有で使用しました。施工開始時と1週間後と2週間後、計3回現場の各部屋を撮影し、専用アプリで写真を取り込み、LINEにアップロードしてみなさんにお送りしました。
良かった点は、THETAで1枚撮影するだけで、部屋全体を360度でおさめられることです。普段はスマートフォンで要所ごとに撮影していて、1部屋あたり40〜50枚もの量になってしまう上に、撮り漏らしてしまう箇所も多くあるのですが、THETAではそれがありませんでした。
狭い空間も360度撮影可能。撮影した画像は専用のTHETAアプリで簡単に360度で回しながら閲覧可能。
さらに便利だったのが、本来撮影しないような箇所も360度まるごと写すことができる点です。例えば、後々施工ボードで見えなくなる配線の位置などです。「あの配線どこだったかな」と施工が進んで疑問に思っても振り返られるので、記録に使えます。
3つ目は、他社アプリとの共有の利便化です。現在、弊社では他社の施工管理アプリを使っています。そこでTHETAで撮影した写真の共有が難しかったため、THETA専用以外のアプリでも360度画像対応していただければ、そこで一元管理できて便利になりそうです。
1回の撮影で配線の様子が一目瞭然(施工現場の360度画像事例)
若いスタッフのミス防止にも効果
――ありがとうございます。営業担当の石川さん、使ってみた感想はいかがでしょうか。
石川:魅力に思った点が3つあります。1つ目は、現地調査では把握しきれない箇所まで写真に収められる点です。洗面台の巾木やコンセントの位置など、後から「ここも確認しておけば」と思うことも多いので、あらかじめ部屋を1枚撮るだけでそれが解決できそうです。
2つ目は、若手スタッフのミス防止に効果的であることです。若手スタッフは、現地調査の際、撮るべき箇所を撮り逃がしていたり、撮影に慣れず写真が見切れてしまったりと、経験が少なくミスをすることが多々あります。しかし360度カメラTHETAを使えば防止でき、早くから職人さんやお客様と深い相談ができ、精度の高い見積もりも作成できます。若手スタッフの不安な気持ちも解消できると思います。
3つ目は、お客様への施工事例で使える点です。何よりわかりやすいため、ショールームに行かなければわからない部屋や箇所が現地でなくてもわかるため、より深くイメージの共有ができます。
若手スタッフのミス防止に効果的と話す石川さん
――撮影では、三脚を使われたのでしょうか。
石川:三脚を使うことになると現場ごとに持ち込む必要があるので、手軽な自撮り棒を使いました。角度によっては自分も映ってしまうので、腕を高く上げるようにしました。
手に持ちながらRICOH THETA SC2とTHETA専用自撮り棒で簡単撮影
――何か要望はありますか。
石川: 360度全方向にフラッシュがたけるといいなと思いました。今の機能だとそれが難しく、フラッシュが必要な箇所はスマートフォンで1枚ずつ撮影することになります。例えば、蓋を開けた状態(ユニットバスや床下収納など)の点検口など。撮影を分けることなく一気にフラッシュがたけると、すごく楽になると思います。
(注:建設、設備業の暗い場所の撮影で活躍する、THETAの補助光となるアクセサリー ユーエヌ RICOH THETA用ライトセットV UNX-8633も販売している。https://ricohimagingstore.com/un-unx-8633-s1032492.html)
オンライン内覧会でも活用の可能性
――佐々木店長は、THETAについて使用した感想はありますか。
佐々木:若いスタッフを中心に「使用したい」という声が多くあったため、機械やデジタルが好きで得意なスタッフに任せると、うまく活用できるのではと思いました。また、オンライン内覧会で使用し、現地のスタッフがカメラを持ちながら部屋を案内したりすることで、お客様に効果的にアプローチもできると思います。ただ、全部屋360度、すべてお見せするとお客様が満足してしまい、その後の誘導が弱くなる可能性があるので、気をつけたいところです。
オンライン内見会に使えると話す佐々木店長
――360度カメラは現場で活用できそうと思いましたか?
若手の社員による、現場調査での撮り漏れが防げたことは良かったと思います。スタッフひとり1台持たせるのはコストがかかるので、5~6人のチームで1、2台を共有するなどであれば、良いかもしれません。
今後は、現場で使っている施工管理アプリとの連携や、現場で使いやすい360度の定点設置で遠隔管理などができると、さらに360度カメラを活用する利点が増えるかもしれません。定点で撮影できると、現場監督がオンラインで指示を出せたり、時間を問わず現場をチェックできたりするので、施工管理の方法が良い方向に変わると思います。

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