【住宅リフォーム売上ランキング2023】積水ハウス、1659億円で9連覇達成

住宅会社の中で最もリフォーム売上高が大きい企業は、9年連続で積水ハウスグループ（大阪府大阪市）であることが、本紙調査でわかった。売上高は、前期比6％増の1659億円で、初めて1600億円を超えた。本紙は全国の住宅会社のリフォーム売上高を調査。「住宅リフォーム売上高ランキング2023」としてまとめた。

--歴代【​住宅リフォーム売上ランキング】一覧--

ニッカホーム、初のトップ10

積水ハウスは9連覇

1位は今年も積水ハウスグループ。同社初の、リフォーム売上高1600億円超えを達成した。

要因は、戸建て・賃貸住宅リフォームともに好調だったこと。戸建て向けでは、同社OB向けに提案する「ファミリー スイート リノベーション」などの大型リフォームが、業績に貢献した。今期は前期比7.9％増の1790億円、2025年度に2000億円を目指す。

「大規模リフォームの受注割合が拡大しました。また賃貸住宅は、資産価値を向上させ、高入居率と高水準の賃料を実現するリノベ提案に注力しました」（広報担当者）

2、3位は、昨年と同じく大和ハウスグループ（大阪府大阪市）、住友不動産グループ（東京都新宿区）。住友不動産グループの「新築そっくりさん」事業は、高い省エネ性能を実現する大規模改修「高断熱リフォーム」が好評だった。

ヤマダHD、15％増

4位の積水化学工業グループ（東京都港区）は、前期比6％増の売上高973億円。太陽光や蓄電池リフォームを強化し、業績を伸ばした。今期は同4.6％増の1018億円を掲げ、2015年度以来となるリフォーム売上高1000億円超えを狙う。

家電量販店の大手2社もトップ10入りした。前期比15％増の836億1000万円を売り上げたヤマダホールディングス（群馬県高崎市）が増収要因として挙げるのは、3000坪以上の大型販売店「LIFE SELECT（ライフセレクト）」の相次ぐ出店。前期だけで全国に12店を開業し、過去2年で29店舗を開設した。

エディオン（大阪府大阪市）も、前期リフォーム売上高は前期比8％増の619億7000万円。同社の小島規和統括部長は、好調要因として国の補助金と、太陽光などエネルギー関連事業の需要増加を挙げている。

初めてトップ10入りを果たしたのが、リフォーム専業店大手のニッカホームグループ（愛知県名古屋市）。本紙推計で、前期比19％増の543億8000万円だった。

同社の強みは、水回りリフォーム。年間件数の約半分近くを占める。近年は給湯器交換や買取再販を強化。特に給湯器専門店の「カエプロ」は、前々期30億円を売り上げた。

今回のトップ10企業は、いずれも増収だった。年々、新築の高騰や建材の値上げなどもあり新築着工棟数が減る中で、よりリフォームに目が向けられていることがわかる結果となった。

カインズ、320億円で13位に

給湯器のキンライサー、109億円

ナサホーム、12％の増収

11〜40位にランクインした企業のうち、増収したのは22社だった。

中でも注目すべきは、ホームセンター大手のカインズ（埼玉県本庄市）だ。今回ランキングに初めて回答し、ホームセンター業で1位となる320億円であることが判明した。

同社は年18万件のリフォーム工事のうち、単価1万円以下のものが多い。これを100店舗、50人ほどの自社職人が請け負う。自社職人による駆けつけ工事を強みとし、そこから大型案件の受注まで取り込んでいく。

また、給湯器専門のリフォームを請け負うキンライサー（東京都港区）が、初めて売上高100億円を超えた。リフォーム売上高は、前期比142％の109億円。近年、自社職人の採用、育成に力を入れ、初任給のアップや自社倉庫内に研修施設を開設した。年3万件の件数とリフォーム売上高をさらに伸ばす予定だ。

関西の有力リフォーム会社、ナサホーム（大阪府大阪市）は前期比112％の88億5000万円だった。

同社は、総合リフォームの「ナサホーム」と水回り専門の「みずらぼ」の2業種を構え、約30店舗を展開。将来的には関東進出も検討する。