スウェーデン発のアイデアを日本流にアレンジ
ペオ・エクベリ氏はスウェーデン出身で、来日して二十数年。NPO代表や大学講師を経て、2年前に日本とザンビアでOne Planet Cafe(東京・芝公園)を起業し、環境関連のコンサルティングやエコツアーのコーディネート、フェアートレード商品の企画販売等を行っている。「社名は、地球1.5個分の資源を使っていると言われる現代社会に対し、本来の"地球1個分"の範囲の中でのライフスタイルやビジネスを提案したいという思いで付けました」(ペオ取締役)
自らのリフォームをリフォームプロ(神奈川県川崎市)に依頼したことをきっかけに、同社の外部コンサルントになった。「"自然素材"と言われる建材でもトレーサビリティがはっきりしないものが多くあります。またビニールクロス等の地下資源由来の建材は使いたくない、ごみは出さないように分別、資源化してほしい等、さまざま希望を出しました。阿部悌二社長はそれに応えた設計をし、建材を揃え、築35年経ったマンションルームを快適空間につくり変えてくれました」
その経験をもとに阿部社長が立ち上げた住宅ブランド"むくむくはうす"、環境循環型住宅推進協議会にも関わる。「むくむくはうすは、日本初のコンセプト"数値目標のある家"です。我が家はFSC認証を受けた国産杉の床材や無農薬の畳等を使用したエコリフォームで、日本流のライフスタイルを楽しみながら、平均に比べ50%以上のエネルギー削減、年間30万円程度の節約を実現しました」
繁殖力の旺盛な竹を使った木製サッシの内窓
世界39カ国で展開する環境建設コンサルタントWSP社とのコラボ事業も進めている。「エコハウスというと、ソーラーパネルの導入や窓の断熱改修のようなエネルギー評価に偏りがちです。しかし環境はもっと包括的なものです。建材から住む人の健康、幸福度等も含めた環境指標を提示できるよう考えています」
ヨーロッパ人のペオ氏、アジア人で代表取締役の聡子夫人、アフリカ人の取締役の"3大陸"出身者でチームを組み、サステナブルな事業モデルの普及を目指す。

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