東京都世田谷が本社の「タカムラ」は、創業87年の専門商社だ。もとは、砂利、砂、セメント等の旧建材業からスタートしたが、現在は住宅設備機器全般を扱う。
「戦後、ノーリツさんが関東へ進出した際、初の代理店の1つになったことから、水まわり機器を扱い始めました。当時は風呂釜周りをモルタルやタイルで覆って保温性を高めましたので、建材やタイル店ルートを開拓されていたようです」(髙村昌秀社長)

〝能率風呂〟全国特約店優秀賞受賞トロフィー(昭和32年度)
その後、同社は、いずみ流し台(現ウッドワン)、ヤマハ(現トクラス)、TOTO、LIXIL等、取引先を拡大させてきた。
「現在の商材は、水まわり機器が6割強で一番多く、空調機器が1割、木質建材が2割、あとは旧建材とその他になります」
社長に就任した2000年は、ちょうどバブルが終わり、最盛期60億円の売上高が半分近くになった頃だったという。
「ハウスメーカさんや大手ガス会社さん等への売り上げが多かった分、先方の政策等が変わると、影響は大きかった。そこで新規開拓等、当社の営業力が反映する体制を整えるよう努めました」
登録口座は600社にまで増え、現在、毎月約300社が動いているという。売上高は、12月決算で前期44億円に伸びた。
「売上では、"新築""リフォーム""機器の素取り替え"がそれぞれ1/3ずつくらいでしょうか。販売先別ですと、4割は工務店・リフォーム店向けで、6割が住設機器扱専門店への卸しになります」
同社では、商材への高い専門知識を伴う提案型営業で、顧客のサポートも行う。
「扱う商材には、カタログを見てすぐ理解できないものも多く、また施工の問題もあります。私たち流通は、メーカーを問わない商材のスペシャリストとして、役割を果たしていきたいと思っています」

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