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有識者に聞く、空き家所有者の悩みと管理ビジネス

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有識者に聞く、空き家所有者の悩みと管理ビジネス

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業界の有識者が語る≪テーマ: 空き家所有者の悩みと管理ビジネス≫
空き家相談窓口、重要なインフラに

空家・空地管理センター 上田真一代表理事

◆今週のゲストコラムニスト◆
空家・空地管理センター 上田真一代表理事
≪Profile≫2013年7月にNPO法人として設立。空き家所有者の相談業務や、空き家問題に関する啓蒙活動にも取り組む。空き家管理業務のためのシステム「SAKAS(サカス)」の開発、運用などを行う。

使い道で悩む生活者

 2013年7月に空家・空地管理センターを立ち上げてから2年ほどが経ちましたが、これまで累計100戸ほどの空き家、空き地の管理を手掛けてきました。管理をし始めてから、その後売却した物件もあり、現状は53戸管理しています。

 空き家の管理事業を始めてから、さまざまな所有者の悩みを聞いてきました。中でも多いのは、「今使い道が決まっていない」ということ。

 相談者の方の多くは、空き家をいずれは売却しよう、いずれは住もう、といった漠然とした考えを持ってはいるのですが、今はそれができない、ということで悩まれていると感じています。

高まる意識

 だから、自分で管理をしなければならない、と思うものの、なかなかそれも困難だということが多い。そこで、私たちのような管理サービスを提供するところに相談が来るわけです。

 特に感じるのは「空き家対策特別措置法」が施行されてからは相談が増えたように思います。「空き家を放置するのはよくない」という認識が少しずつ高まってきたからだと思います。

 特措法ができる以前は意識の高い人だけが利用するサービスでしたが、状況が変わってきました。

3戸に1戸が空き家に

 2033年には空き家が2000万戸にもなる、という調査データも発表されています。空き家率は3割を超え、3戸に1戸が空き家という時代が来るとも言われています。現状はどうかというと、戸建ての空き家でいえば約200万戸もあります。

 この空き家をどれだけ持ち主自身が自分で管理できるかというと、それは非常に少ない数ではないかと思っています。高齢化が進めば進むほど管理大変になり、空き家の管理というサービスに対するニーズは今後さらに高まってくるでしょう。

全国的に根強いニーズ

 今、私たちの本部では埼玉県所沢市を中心に空き家の管理を行っていますが、エリア外に住む方からの相談が増えています。全国的に空き家管理に対するニーズがあり、広い範囲での対応が求められているのだと感じています。

 最近はさまざまな業者が空き家管理ビジネスに参入していますが、まだまだそのサービスエリアは一部だけです。今私たちでは主要都市に空き家相談の窓口を開設したり、不動産会社の方たちに管理ビジネスのノウハウを提供するなどして、全国的に空き家の管理を進めていこうとしています。

 社会の重要なインフラとして相談窓口を全国に広げていきたいと考えています。

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