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高齢化が進み、今後さらに医療、福祉、介護の充実が求められる日本。医療施設の拡充もまた同様に求められている。近年、施設を開設するにあたり既存の建物をリノベーションする事例が増えてきている。その改修サービスを提供する北島建築設計事務所(神奈川県横浜市)に取材した。
メンタルケアクリニックの受付スペース
歯科、天井高に要注意
同社が初めて医療施設の設計を手掛けたのは約10年前。当初は年1件あるかないかという状態だったが、ここ数件は年3~4件に増加している。これまで手掛けたのは15件で、うち12件が既存の建物をコンバージョンしたものだ。
「利便性が非常に重要なので、開設希望場所は駅付近などが多いですね。更地はほとんどないですから、空きテナントなど既存の商業施設やビルに入ることになります」(北島俊嗣所長)
では、開設する医科の種類によって改修内容に違いはあるのだろうか。
同社によれば、歯科が他の医療施設と大きく違うという。というのは、歯科特有の診察台であるユニットは、台ごとに水を大量に消費するため、専用の配管を床に通す必要がある。床を20~25cm上げる必要があるため、元の天井高が250cm以上ない建物はそもそも改修することができない。
また、照明も違う。歯科の場合は上を向いて診察を受けるため、直接照明だと患者がまぶしがる。そのため、間接照明にするなど配慮が必要になる。同社の場合、天井に梁を通し、梁の上から天井に向けて光を当てる方法をよく取るという。
間接照明がまぶしさを防ぐ
医師により異なるデザイン
一方、エントランスからバックヤードまでの部屋の配置はどの医科でも同じだ。まず受付があり、待合室、診察室、X線室、スタッフ控室、院長室はどの医科も共通。医科によって各部屋の大きさが異なるくらいで、人の流れ方はほぼ変わらない。

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