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- > 特集◆住宅診断(1)レーダーチャートで『見える化』
住宅医ネットワーク(本部・岐阜県美濃市)は調査した既存住宅の性能を一目でわかるようにグラフ化した診断書を活用し、1000万円を超える大型リフォームにつなげている。
診断は6テーマ、約50項目の住宅性能をチェックする。既存住宅全体の性能の優劣を明らかにし、「住宅性能達成度判定表」というものにまとめる。判定表の中にある「性能達成度レーダーチャート」では、同会が推奨する性能を施主の住宅が満たしているかどうかを視覚的に示している。
6つのテーマとは
- 劣化対策
- 耐震性能
- 配管・設備 (更新の容易性の優劣)
- 省エネルギー性能
- バリアフリー性能
- 防耐火性能 となる。
「(1)~(5)は長期優良住宅の認定基準の項目で、それに火災への対策を盛り込み、既存住宅の性能を総合的にチェックできる内容としています」(住宅医ネットワーク・東京事務局長・滝口泰弘氏)。

診断対象物件は築40年ほどの戸建住宅。レーダーチャートでわかりやすく
そして、6テーマの詳細な診断内容(約50項目)についてもそれぞれ明らかになった性能をグラフ化して見せる。施主はこれまで気がつかなかった品質を把握でき、改修する必要性が具体的にわかる。
築40年の住宅で、例えば耐震性能は推奨レベル1.0に対して、0.27。省エネ性能については、0.43と、基準に対して低いことがわかる。
「築年数が古くなれば、耐震性能や省エネルギー性能はもちろん、劣化対策など、現状の推奨基準に比べて低い性能になるケースが多くあります。これらを部分部分の診断ではなく、総合的に行い、なおかつ分かりやすく提出することでお施主さんからは『理解しやすい』と受け入れられています」(同氏)。
総合診断なので解説には長い時間がかかるが、施主は自分の体の『健康診断』のようにじっくり聞くケースがほとんどだという。また、改修後には性能が向上した度合いをグラフで示した「住宅性能達成証明書」を提出し、視覚的にそのレベルを確認できる配慮も行っている。
同会ではこの診断を行う「住宅医」を育成している。学んだ各リフォーム会社・工務店などはこのノウハウを活用して、大型リフォームの受注につなげている。

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