- トップ
- > 中古住宅・リノベーション
- > 南山大学、伝統ある大学の意匠残すリノベ
5カ年計画で内装一新
学校法人南山学園(愛知県名古屋市)が運営する名古屋市昭和区の南山大学で、校舎の大規模リノベーション工事が佳境を迎えつつある。64年に名匠アントニン・レーモンドによって設計された当時の雰囲気を残しつつ、空調や水まわり、そして内装を刷新。来年3月にリノベーション工事を終える予定だ。
窓から突き出た格子状のルーバーが特徴的
レーモンドの建築様式を次世代につなぐ
南山大学は1949年設立。現在は外国語学部をはじめとする8つの学部を持ち、1万人程度の学生が在籍する。今回のリノベでは、1964年に建設されたG30教室(大講堂)と、内廊下でつながるH棟・G棟・K棟・J棟を集中的に改装した。「取り壊しは当初から検討しなかった」と学長室の山口洋平氏は話す。
G30ロビーにあるレーモンドによる壁画
「レーモンドの建築様式がここまでまとまっている箇所は他になく、歴史的価値があるものとして次の時代に残したかった」。チェコ出身の建築家であるアントニン・レーモンドによる設計は、日本文化を意識した自然との調和が特徴だ。南山大学も例にもれず、コンクリート打ち放しの柱はむき出しで、日本建築の大黒柱や梁を想起させる。
また、山の斜面に校舎を建築。山を崩さず、かつ斜面をそのまま階段状の教室に活用できる。電線や配管なども竣工当時からほぼ全て地下化されていた。自然への配慮がうかがわれる。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1661号(2025/08/18発行)1面
-
1660号(2025/08/11発行)2面
-
WEB限定記事(2025/08/11更新)
-
1660号(2025/08/11発行)17面
-
1660号(2025/08/11発行)1面