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「TDYリモデルスマイル作品コンテスト2023」の家族の想いを動かすリモデル部門で最優秀賞となったサンプロ(長野県塩尻市)の事例「リユースで歴史を継ぐ」。築160年の古民家の趣をできる限り残すことに注力しながら、快適性も追求したリノベーションについて、建築士の小澤隆氏とインテリアコーディネーターの田中智代氏に聞いた。
古民家の趣を残すリノベ
建具の3分の2を再利用
白い漆喰に黒い梁や建具が映える空間として生まれ変わった。掘りごたつのテーブルはケヤキの一枚板で特注でつくった
物置と化して、壁は煤で真っ黒だった。右は荷物を取り去った後
人が集う
土間付きリビング
歴史的な街道沿いに立ち、江戸時代から明治初期にかけて旅籠や酒造業を営んでいたという築160年の古民家。それまでも小規模な修繕はサンプロで行っていたものの、ネズミ害がひどい、昔ながらの細かく仕切られた和室の使い勝手が悪い、室内が暗いといった悩みがあった。同居する長女に第3子が産まれるタイミングで、60代の施主夫婦はリノベーションを決意する。要望は、次の世代に建物を受け継ぐために古民家の趣をできるだけ維持しつつ、快適性を上げたいということだった。
(左)現しになった構造体は埃が積もって白っぽくなっていた
(右)クリーニングによって美しく蘇った構造体
玄関土間とそれに面した囲炉裏付きの和室は、長い年月で両者の間に仕切りが設けられ、たくさんの物が積まれた物置と化していた。今回、物を処分して仕切りを取り払い、埃のたまった梁を綺麗にし、煤と埃で真っ黒だった壁は白い漆喰で塗り替えた。そして間接照明やスポット照明、ペンダント照明を用いることで、落ち着いた佇まいは維持しつつ、十分な明るさを確保した空間「和室リビング1」に生まれ変わった。
囲炉裏は使い勝手の良い掘りごたつ式に変更。また、夫の要望で土間には薪ストーブを置いた。薪ストーブに火を入れれば、冬でも和室リビング1と隣の和室リビング2の全体がほんのりと暖まる。「以前はヒーターで温めても暖まり切らず、隙間風も入っていました。サッシは全て樹脂サッシに入れ替えて、壁は土壁なのでそのままですが、床と天井は断熱をしました」(小澤氏)。今では和室リビング1は来客をもてなしたり、大人数の親戚が集える場となっている。夫は孫たちが遊ぶのを眺めながら、在宅ワークをこの掘りごたつで行うようになったともいう。
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