10月10日に塗装を通じたボランティアで社会貢献を行うNPO法人「塗魂(とうこん)ペインターズ」の3代目継承式が行われた。これにより、ユウマペイント(千葉県柏市)の佐々木拓朗社長がミヤケン(群馬県前橋市)の宮嶋祐介社長から、会長を引き継いだ。
塗装ボランティア団体、新体制へ
「日本の隅々まで塗装届ける」と意気込む
塗魂ペインターズ会員の集合写真。日本全国から東京に集結
加盟は300社超え
塗魂ペインターズは2010年に塗装業界のイメージを向上させることを目的に結成された。発足当初は30社だったが、現在は300社を超え、年々会員数が増加している。この日開かれた、継承式、全国会議、懇親会には日本全国から加盟している塗装会社の社長や、協賛メーカーなどが約36社集結した。今回が14回目の開催だ。
3代目を引き継いだ佐々木会長は、宮嶋祐介前会長のもと、事務局長として8年間同団体を支えてきた。継承式にて佐々木会長は新会長としての意気込みを語った。「3代目塗魂ペインターズのバトンをしっかりと受け取りました。初代会長の魂の完全燃焼、宮嶋2代目会長の幸せ大家族、この2つのテーマを必ず受け継ぎ、守り通します。そして、3代目の体制を強化して、もっと多くのボランティアを日本の隅々まで届けたいです。これからも私たちの成長を見守ってほしいです。これからもともに成長してください。一緒に過ごしてください。一緒に歩んでください。皆様とともに死ぬ最後の瞬間まで、ここで良かったなと思える団体を作っていきますので、応援いただきたいと思います」
宮嶋祐介2代目会長(左)から3代目佐々木拓朗会長(右)へ任命状が渡された
宮嶋前会長は2代目としての同団体での活動を振り返った。「塗装でできる社会貢献を掲げて、一歩一歩、歩みを進めてきました。次第に活動が広がり、全国から同じ志を持った仲間が引き寄せられてきて、気が付けば日本全国300社が集まり、社会でなくてはならない団体にできたと思います」
また、3代目への想いをこう告げた。「どうか、自由に縦横無尽に走ってください。どうか、悩むことなく、塗魂ペインターズを楽しんでください。周りの仲間を信頼して頼ってください。もし兄弟が日本中から非難されても、俺はずっとそばにいるから。3代目がんばってください、ともに歩んでいこう」(宮嶋前会長)
宮嶋前会長は「2代目会長になった瞬間から、次はあなたに決めていました」と語った
宮嶋前会長と歩んだ8年
継承式にはアステックペイント(福岡県福岡市)の菅原徹社長も来賓として駆けつけた。同社は2012年から協賛メーカーとして同団体を支えてきた。来賓あいさつで菅原社長は、宮嶋前会長と活動をしてきた8年間に思いを馳せて、新たなステージでこれからも一員として貢献していくことを宣言した。
「同時期に会社を立ち上げて、ともに苦労をして成長をしてきた宮嶋前会長が会長に就任された頃、絶対に塗魂ペインターズを盛り上げると覚悟を決めました。そして、塗魂ペインターズからの要望には無条件で応えること、可能な限りボランティアに参加することを社内に宣言しました。8年間その宣言は実行してきたと自負しています」
アステックペイント
菅原徹社長
また、同じく来賓として日進産業(東京都板橋区)の石子達次郎社長からの挨拶もあった。石子社長は12年前に同団体の忘年会に参加して以来、ファンだと語った。「大切なお客様である以上に、友達だと思っています。尊敬する人たちです。友達として今後も付き合っていきたいです」
日進産業
石子達次郎社長
他にも、成田塗装(大阪府寝屋川市)の大倉達也社長は、3代目を大きな船に例えて語った。「2代目執行部発足の際に、日本全国を縦断するイメージで塗魂宮嶋号という列車の絵を作りました。今回はこの場所で大きな船に乗り換えて、帆を立ち上げて、3代目が世界へ広く連れて行ってくれると信じています。さらにファミリーを増やして航海をしていくでしょう」
成田塗装
大倉達也社長
来場者全員で「塗魂の歌」を合唱。3代目執行部メンバーが壇上で旗を振った
3代目執行部メンバー
初代の安田啓一会長(中央)も駆けつけ、宮嶋祐介2代目会長(右)、佐々木拓朗3代目会長(左)と共に壇上に上がった
ボランティア200回達成
今年3月11日には東日本大震災で被災した福島県双葉町立双葉南小学校の外壁塗装を行った
ミヤケンの宮嶋社長は8年間、同団体の会長として活躍してきた。その間、同団体ではさまざまなことがあった。「国内外でボランティアを行う熱き魂の塗装集団」として、2016年度「シチズン・オブ・ザイヤー」の受賞。2016年11月には社会貢献支援財団賞を受賞した。2018年にはボランティアの回数が100回を超えた。2019年10月には結成10周年を迎え、記念式典を開催。2020年にはコロナ禍でのロックダウンによりボランティアができないといった困難に直面しながらも、会員同士交流を続けてきた。2023年11月1日には任意団体からNPO法人になった。現在は、ボランティアは200回を達成して、加盟社数は300社を超えた。
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